« December 2011 | Main | February 2012 »

January 2012

Jan 24, 2012

東京駅の復原工事

 先日東京駅の丸ノ内側を通りかかったら,旧駅舎復原工事がもう大詰めを迎えていて,南北のドームが囲いの上に頭を出していた。
 空襲で焼け,戦後すぐに2階まで修復してその上に屋根を乗せるという形で2階建てとしたものを,元の3階建てに戻す,というのが概要である。復原前後の図(→参照)を見比べてみると,ドーム以外の全体にわたり,5メートル高くなるから,全体のボリュームはかなり大きくなったという感じがするのだろう。
 ただし,いちばん目立つ南北のドーム部の高さは頂部まで35メートルで2メートル高くなるにすぎず,しかも大きな三角の屋根が小さい「帽子」になるので,ドーム部の迫力は小さくなる。P1095995

 中央部の屋根は元々三角型で,今回大きさが逆に小さくなる。そもそも戦後の修復は,元の中央の屋根の形にならって(ただし,ずっと大きくして)南北の屋根を作り,中央もこれに合わせて大きくするような形で行われたということなのだろう。考えてみると,戦後物資も機材も乏しい中で,まったく壊してしまわないでよく修復したものだと思う。(これは,同じく内部を作り直した歌舞伎座も同様である。)P1096001
 完成当時は周囲に高い建物はなく,東京駅駅舎はまさにあたりを睥睨してそびえ立っていたに違いない。1923年になって8階建ての丸ビルが完成し,駅前広場を挟んで向かい合う形になったが,空はまだまだ広かったはずだ。
 それが,JRのサイトに載っているパース図を見ると,東京駅は,高層ビルに取り囲まれて足元で小さくなっている。

 50年以上前,小学校の国語の教科書に「丸の内ビルジング」というのが写真入りで載っていた。当時すでにビルディングというのが(カタカナ語としての)普通の発音だったから,「ビルジング」という表記は奇妙な感じがした。戦前「ビルヂング」と書かれていたのを新かな風にしたものか。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Jan 21, 2012

寿司と駆け込み乗車

寿司は上を食え
 「寿司は上を食え」という教え(?)を昔友人から聞いた。並と上の価格差がたとえば千円以下ぐらいだと,並と差をつけて上らしい内容・体裁にするのはけっこう難しいので,値段の差以上にコストをかけることになり,上の方がコストパフォーマンスが良い,というような理屈だった。実際には値段が2段階のみということは少ないので事はそう単純ではないが,迷ったときの指針になる。
 鰻重の場合は,ランクの違いは「結局は鰻の分量の差なんですよ」とある鰻屋の人が言っていた。鰻のランクは,並・上・特上などのほか,松・竹・梅などで示されることが多いと思うが,居酒屋兼鰻屋では,蒲焼が800円・1000円・1200円・1500円とあるがランク名がなく,「蒲焼き,1000円の」などと言って注文する。日本の店としては珍しいロコツさである。

駆け込むなら中まで
 電車への駆け込み乗車は,さすがにこの年になるとあまりしないが,階段を降りて目の前の電車発車間近だったりすると,小走りになることがある。そんなとき困るのは,前を走る人が,車内に入ったところで安心して止まってしまうことである。後に続く者はドアの直前で急停止しなければならないが,間に合わず追突することもあり,結果的に余分に時間がかかる。エレベーターへ駆け込むときにも同様のことが起きる。
 そこで,標語を提案――「駆け込むなら中まで!」

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Jan 18, 2012

ベートーヴェンのピアノ協奏曲全5曲の弾き振り

 ブルーレイ・レコーダーを買ってから1年近くたって,ブルーレイのソフトを買った。2枚買ったうちのひとつは,ルドルフ・ブッフビンダーの指揮・独奏,ウィーン・フィルによるベートーヴェンのピアノ協奏曲全5曲のライブである。(ティーレマン=ウィーン・フィルによるベートーヴェンの交響曲全集もあったが,やや高いので今回はやめた。)
 ベートーヴェンのピアノ協奏曲はそれぞれ個性がはっきりしていておもしろい。5曲のうち,2番以外は演奏したことがあるが,中でも第1番は3回演奏した。そのうちの1回はこのディスクと同様の「弾き振り」で,ひときわ思い出深い。弾き振りの場合,指揮者としてはもちろん十分な指示ができるわけではなく,オーケストラはコンサートマスターを中心にまとまるしかない。普通の演奏会では,指揮者でなくコンマスを見ないとどうしようもない場面はたまにしかないが,このときばかりは絶えずコンマスを見ていた。
 そのときの独奏者=指揮者はこの曲を選んだ理由を「弾き振りできる最大・最後の曲だから」(第1番は第2番より後に書かれた)と言っていたが,ブッフビンダーは全5曲を弾き振りしている。ライブなのでアンサンブルは完璧でないところもあるが,全体としてはウィーン・フィルの特徴である自主性が発揮されている。ブルーレイ・ディスクは当然画質が良く,顔に刻まれた年輪を克明に映し出す。(それがオペラでは時として問題を生じる。)

 わが家の玄関のドアをカギを使って(つまり家族が)開けると,「ミドーミドー」と長3度の速い3拍子でチャイムが鳴る。(厳密には長3度よりわずかに狭くて気持ち悪い。)
 ベートーヴェンのピアノ協奏曲でいちばんなじみが薄かったのは第2番である。今回上記のディスクを見ていて第2番の第3楽章になったら,ロンドのテーマは「ミドーミドー」(8分の6拍子)で,あ,うちの玄関のチャイム!,と笑ってしまった。

| | Comments (1) | TrackBack (0)

Jan 08, 2012

確率論

 サイコロを振って1が出る確率は6分の1ということは,何度も振っていれば1が出る回数は振った回数の6分の1に近づいていくということである。実際に何百回も振ってみたことはないが,説明としてはわかったような気になる。
 しかし,何度も振ることができる場合ならいいのだが,世の出来事の大部分は1回の偶然による選択で決まり,「もう一度振ってみる」ことはできない。確率はあくまでも理論上の数値であり,いくら確率が低くても,実現したらそれがすべてということになる。
 高校の時,45人のクラスの中で1人が調べた結果を発表すればよいという性質の課題が宿題として出された。これをうっかり忘れてしまって,次の授業のとき,当たる確率は45分の1だからまあ大丈夫だろうと思っていたら,見事に当てられてしまったということがあった。
 天気予報の降水確率でも,10%と言われるとなんとなく「降らないんだな」と思ってしまうが,降ることはありうるし,降られたらこれはもう確実に濡れる。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Jan 07, 2012

エレベーターとエスカレーターについての考察

 エレベーターとエスカレーターは,ビル内を上下に移動するという役割は同じだが,いろいろな違いがある。ひとつは,間欠的か連続的かという点で,エレベーターはハコが来なければ乗れないのに対し,エスカレーターはいつでも乗れる。
 もうひとつは,エスカレーターは必要ならその上を歩くことによって,スピードを追加可能だということである。このために,歩く人は関東では右側,関西では左側というルールができた。
 もうひとつ,物理的には実は最大の違いだと思うのだが,エレベーターは水平に移動しないのに対し,エスカレーターは水平にも移動するという点である。目指す方向,例えば電車を降りて出口への方向がエスカレーターが水平に動く方向と一致していればまことにめでたいが,逆だとむだに歩くことになる。
 地下鉄大江戸線は,多くの駅で改札口が一箇所で端の方にあるので,こうしたむだの生じることが多い。

 東急ハンズ新宿店のエスカレーターは「複々線」になっていて非常に便利である。エスカレーターの吹き抜けのどちら側にいても,上りにも下りにも乗ることができる。
 最悪なのが,ビックカメラ池袋西口店のようにZ字を積み重ねたようになっているタイプで,各階でいちいちエスカレーターの水平距離の分を歩かなくてはならない。床面積が小さいのでやむを得ないのではあるけれど。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

Jan 03, 2012

5冊の本

  ~~~~ あけましておめでとうございます ~~~~

 今年3月で開設からまる8年となるこのブログを,今年もよろしくお願い申しあげます。

   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 昨年秋以降に読んだ本の中で印象に残ったものを挙げておく。

◆中野京子『<中野京子と読み解く> 名画の謎 ギリシャ神話篇』(文藝春秋)
 『<名画で読み解く> ハプスブルク家 12の物語』『<名画で読み解く> ブルボン王朝 12の物語』(いずれも光文社新書)が絵画に見る王朝史だったのに対し,こんどは美術自体のガイド。

◆池田麻里子『メトロポリタン・オペラのすべて――名門歌劇場の世界戦略』(音楽之友社)
 素人出身(?)ならではのインタビューによる聞き書き。メト・ライブビューイングを何本も見ている者にとっては,楽屋話のそのまた背景,特に経営面がわかっておもしろい。

◆三浦しおん『舟を編む』(光文社)
 珍しく,辞典編集者を主人公にした小説。前半いろいろな出来事があるのに対し,後半は辞典の完成に向けて一本道。

◆川本三郎『小説を,映画を,鉄道が走る』(集英社)
 小説と映画に出てきた鉄道についてのエッセイを集めたもの。かつて画面の中に登場した鉄道の現況を訪ね歩く章もある。

◆三田 完『草の花――俳風三麗花』(文藝春秋)
 句会に集う3人の女性を主人公にした連作『俳風三麗花』(文春文庫)の続編。時は昭和10年代,舞台は満州に広がる。川島芳子,甘粕正彦といった有名人が,主人公の前に都合良く(?)登場する。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« December 2011 | Main | February 2012 »