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May 03, 2012

『サロメ』の新訳

 オスカー・ワイルドの『サロメ』の平野啓一郎による新訳が4月に出た(→参照)。以前「カラキョー」で話題になった光文社古典新訳文庫の最新刊である。ご承知のように短い作品なので,戯曲本体より付録部分の方が大きく,ページ数は以下のようになっている。

  本体 75 [献辞等を含む]
  注(田中祐介)  39
  訳者あとがき 28
  解説(田中祐介) 60 [書誌を含む]
  『サロメ』によせて(宮本亜門) 12
  ワイルド年譜 4

 宮本亜門が登場しているのは,新国立劇場での上演(オペラではない)のために平野に新訳を依頼したのが宮本だからである(宮本演出の『サロメ』上演は5月31日~6月17日;→参照 いきなり音が出るので注意!)。
 サロメのせりふは,過度にイマ風にしているわけではないが,現代の15歳ぐらいの女の子がしゃべるとしたらこんな感じだろうという口調になっている。それだけに,ヨカナーンへの妄想が広がっていく過程が直接的に感じられ,恐ろしい。「解説」も渾身の作というべきもので,資料としても貴重である。

 オペラの原作となった古典的戯曲の新訳としては,先ごろ,ボーマルシェの『フィガロの結婚』(鈴木康司 訳,大修館書店)が出た(→紹介)。現代の日本語上演が可能な訳を目指したものだが,こちらは原作がやたらと分量が多く,『サロメ』より字詰めの多い組版で本体は224ページある。日本語で上演したら正味4時間では終わらないのではないだろうか。

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