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Jan 20, 2013

メト・ライブビューイング 『ティトゥス』と『仮面舞踏会』

 前回触れたメト・ライブビューイングだが,今シーズン(2012/11-2013/5)は12月のトーマス・アデス作曲の現代オペラ『テンペスト』の後,1月の『皇帝ティトゥスの慈悲』と『仮面舞踏会』を続けて見た。
 『ティトゥス』(主催者は「ティト」とイタリア語表記)はモーツァルト最晩年の曲だが,生で見たことはない。そういえば,メトの昔のレーザーディスクを持っていたと思うが,1回見たかどうか。『魔笛』よりケッヘル番号が1つ後になっているが,実際には『ティトゥス』の方が早く完成・初演されたという。
 ジャン=ピエール・ポネル演出,ということは四半世紀以上昔の演出による格調高い舞台で,歌手もそろって好演。中でも,アンニオ役のケイト・リンジーが歌も姿も美しく,見事なズボン役だった。モーツァルトの音楽は,喜劇のような生気に乏しいがきわめて美しく,退屈しなかった。最後の方にバセットホルンのオブリガート付きの大アリアがあり,終了後の字幕ではバセットホルン奏者の名もクレジットされていた。
 ところで,ティトゥス帝というのは,ポンペイが埋まったヴェスヴィオ山の大噴火のときの皇帝なんですね。在位わずか2年で(公式には)病死。大震災のときの某首相は在任1年だったけれど。

 翌週は『仮面舞踏会』。今までにこの曲を生で見たのは3回で,ヴェルディの中期以降の作品の中ではもっとも少ない。ほとんどメロディーがない『ファルスタッフ』などより上演頻度がずっと低いのは残念なことである。
 今回は新演出で,ボストン版ではなくスウェーデン版ではあるが,史実より1世紀以上後の時代にしてある。特に前半では,合唱がよく動く舞台で非現実的なおもしろさがある。歌手は,みな声に文句はないが,見た目は『ティトゥス』に大きく劣る。アメリアはまったくのおばさんだし,小姓オスカル(ソプラノのズボン役)はずんぐりしていてとても若い男には見えない。
 あらためてすぐれた音楽だと思ったが,敵対勢力がいるのに国王がのんきにしていたり,女占い師の館に民衆がどやどややってきたりという具合で,話の展開はあちこちで間が抜けている。
(次は,来週の『トロイアの人々』に行く予定。なんと6時間)

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