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Feb 11, 2013

史上最大の if

 ヒトラーが1933年1月に首相になり,政権を掌握してから80年を迎えた。ヒトラーが政権の座にあったのはそれから12年余りで,たいした長さではない。しかし,一人の人間が世界に与えた影響としてはもっとも大きなものだったのではないか。
 歴史に関して「もし…だったら」を言っても意味がないのだが,それでもやはり想像したくなることのひとつは,「ヒトラーがウィーンの美術学校に合格していたら…」という if である。そのまま画家,または美術関係の職業についたかどうかがひとつの分かれ道だが,そうだったとしても,何かのきっかけで政治への野望を抱くことはありそうだ。ちなみに,ヒトラーの2年前にはエゴン・シーレがウィーン美術学校に合格している。
 さらに,ヒトラー自身はおとなしく暮らしたとしても,第一次大戦後の敗戦国の疲弊の中で,別の形で別のヒトラーが出てくることも,歴史的状況としては必然だったのかもしれない。

 ヒトラーの政権奪取は,クーデターなどではなく,選挙という合法的な手段を通じて行われた。日本の場合も,ドイツのような一人によるリーダーシップはなかったが,議会の「翼賛」のもと,一応合法的に,戦争への道を突き進んだ。
 ちなみに(といっても,あまりちなんではいないが),日本国憲法は,大日本帝国憲法の改正という形で,最後の帝国議会で議決された。旧憲法とはまったく異なる原理に基づく憲法が,旧憲法に定められた憲法改正の手続きに従って成立したのだった。

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