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Feb 02, 2013

『タンホイザー』と『トロイアの人々』

 先週末は,土曜に新国立劇場の『タンホイザー』,日曜にメト・ライブビューイングの『トロイアの人々』という怒濤の週末だった。これだけなら前から予定していたことだが,その直前の金曜日に,1か月以上前に予約した iPad mini がようやく入荷し,怒濤度に輪をかけた。

 バイロイトでは「オペレッタ」と呼ばれている短めオペラのひとつである『タンホイザー』が,ワグナーとヴェルディの記念年の最初の生オペラとなった。休憩(25分が2回)を含めて4時間10分,2007年プレミエの舞台の再演である。2007年の上演はたしかに見たのだが印象は薄く,見ているうちに少しずつ思い出した。全体としてはまとまりがよくなった。
 抽象的な舞台装置で,なかなかの美しさ。タイトルロールのアナセン(デンマーク人だから要するに「アンデルセン」)はよい声だが,「ローマ語り」に備えて声をセーブしっぱなし。さすがにローマ語りでは一応ちゃんと声を出したが,まだ欲求不満が残った。ヴェーヌスは何度も聞いているツィトコーワで,メゾソプラノ兼任の声が意外とヴェーヌスに合っていた。
 そして,特筆ものは合唱。合唱が重要なこの曲で,いつもながら見事だった。(新国立劇場のサイトのインタビュー動画で,エリザベート役のミーガン・ミラーが「リハーサルで,合唱がすばらしくて涙が出た」と語っている。)

 翌日は,映画館でメト・ライブビューイングの『トロイアの人々』,上演時間が正味251分という超大作である。めったに見る機会がないからということで,日曜の朝から昼食を用意して出かけた。ベルリオーズのオペラは,松本のフェスティバルで『ファウストの劫罰』を見たのが唯一の経験だが,これはオラトリオを強引にオペラにしたものだった。
 『トロイアの人々』というややあいまいなタイトルになっているのは,内容が2つに分かれていて,前半はトロイア戦争,後半はディドとアエネアスの物語になっているからだろう(後者と同じ題材によるパーセルの『ディドとアエネアス』を昔見たことがある)。さらに,このタイトルによって,「合唱がタイトルロール」という適切な結果になっている。長いが,いろいろ見せる工夫満載で,ほとんど飽きることなく(わずかに居眠りしたが)見た。何度も見たいとは思わないが,貴重な経験だった。

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