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Dec 07, 2013

今年の喪中はがき

 毎年この季節になると,喪中はがきが届く。その多くは友人・知人またはその配偶者の親が亡くなったことによるものである。しかし,今シーズン最初に届いた喪中はがきは,池袋の居酒屋での「飲み友だち」T氏の死去の知らせだった。差出人はご子息だった。享年98。なにぶん親より上の高齢なので,年賀状を受け取ってほっとするのが毎年のことだったのだが,それも今年の正月がついに最後になった。喪中はがきが来たのは,年賀状のリストがきちんと残してあったからだろうと思う。
 最後に会ったのは5年近く前の2009年1月で,当時93だったはずだが,昔と変わらず(といっても知り合ったときT氏はすでに80過ぎだったのだが)ビールを飲んだ。(その時のことは「over 90 の飲み友だち」参照。また「萩原葉子氏――梅ヶ丘にて」も参照)

 T氏は山口県生まれで,国策会社のエンジニアだった。T氏の話で今も印象に残っているのは,1940年,会社に入ってまだ間もなかったときの満州出張である。神戸から満州航路の船に乗り,途中門司に寄って,着いたのは旅順,そのあと奉天(今の瀋陽)へ行き,奉天からハルピンまでは満鉄の看板列車「あじあ号」に乗った。あちこちで仕事の関係者からの歓迎を受け,そこで覚えたのがビールの味。それが池袋の居酒屋でのビールにつながってくる。ハルピンではロシア娘とダンスをしたという。
 もうひとつ,これも「鉄」話だが,戦前,山口県を走る美祢線に乗ったとき,もちろん蒸機だったのだが,燃料が悪いのか力が出ず,急坂では乗客はみな降りて,男たちが車掌といっしょに列車を後ろから押したのだという。どの程度の編成かわからないが,人が押して少しは役に立ったのだろうか。

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