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March 2014

Mar 29, 2014

山の名,岩の名,病気の名

 「エベレスト」という山名は,イギリスの地理学者でインド測量長官だった George Everest にちなんだものである。昔これを知ったとき,測量してそこに自分の名前をつけちゃうなんてひどい話だと思った。しかし実際には,エベレスト氏が自分でつけたわけではなく,後任の長官が「現地名が発見できなかったので」ということでつけたらしい。
 今は,チベット語名「チョモランマ」もけっこう用いられるようになったし,ネパール名「サガルマタ」も知られてきた。

 オーストラリアの世界一の一枚岩は,今は「ウルル」の方が普通になったが,かつては「エアーズ・ロック」だった。こちらはサウス・オーストラリア植民地の総督だった Henry Ayers の名にちなむ。総督といえばまあいちばんえらいのだろうが,王様の名前をつけたヴィクトリア湖(ヴィクトリア女王の名より)とかルイジアナ(最初フランスの植民地だったのでルイ14世の名をつけた)などに比べると貫禄が足りない。

 「川崎病」という病気の名は,報告した医師の名によったものである。一方で「水俣病」のように地名によるものもある。地元にとってはありがたくないことだと思うが。
 コレラ菌の分類に「エルトール型」というのがあるが,これはエジプトの検疫所があった地名によったものだという。しかし,同じくコレラ菌の分類の「小川型」の小川というのは人名だが,医師の名ではなく,これはなんと患者の名だという。どういう事情なのかは知らないが,ひどい話だ。ほかに稲葉型というのも同様らしい。

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Mar 23, 2014

ドヴォルザーク――『ルサルカ』と管楽セレナーデ

 メト・ライブビューイング(「原題」は The Met: Live in HD)は,前のシーズンには前半に精勤したのだが,2013-14 シーズンは出遅れてしまい,3月の『ルサルカ』が初めてだった。全10回のうちの5回目だから,かろうじて前半にすべりこんだことになる。
 オットー・シェンクの「ト書きどおり」の古風で大がかりな舞台は,いかにもメトらしい。いつもこの上映の案内役をつとめているルネ・フレミングがタイトル・ロールで,姿はやや老けてきたが,クリーミーな声は健在。台本のせいか作曲者のせいかわからないが,このオペラは第3幕が長いのがちょっと難(メト版では第1幕より長かった)。話としては悲劇の結末へ向かって一直線なのだが。
 ドヴォルザークは大オペラ作曲家である。なにしろプッチーニもワグナーも普通に上演される作品は(数え方にもよるが)それぞれ10曲なのに対し,ドヴォルザークは11曲完成させているのだから。
 この10日後に,新国立劇場でコルンゴルトの『死の都』を見た(前述)。『ルサルカ』は1901年初演だから,『死の都』の20年前ということになる。聞いた感じは大いに違うが,美しい旋律が巧みに転調しながら惜しげもなく連綿と奏でられるなど,似た点もある。ドヴォルザークもけっこう半音階風味を加えているし。なお,『死の都』の指揮者ヤロスラフ・キズリングというのは,前に新国立劇場で『ルサルカ』を振った人だった。

 ドヴォルザークの魅力にひとつは,優美・典雅な中にときどき「田舎風」の部分があって「お里がばれる」ところだと思う。そして,オーケストラの曲だと,そういうところにはしばしばコーラングレ(イングリッシュ・ホルン)が登場する。『ルサルカ』でもそうだったし,宗教曲(「スターバト・マーテルなど)にもそういう場面がある。
 もっとも田舎じみていて土俗一辺倒なのは,管楽セレナーデの第1,4楽章である。昔,誰かが楽譜を買ってきて,大部分のメンバーはまったく聞いたことがなかったこの曲を演奏してみたことがあった。足を踏みしめるような最初のニ短調のマーチで,その泥臭さに演奏しながらびっくりし,笑ってしまった。少なくともセレナーデとしては類がない。
 しかし,この曲も第2,3楽章は,弦楽セレナーデとは趣が違うが,なかなか優雅で美しい。

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Mar 14, 2014

本日,ブログ10周年

 今日3月14日,当ブログは開設10周年を迎えた。読んでくださっている方々に,あらためてあつく御礼を申しあげる。
 この間,2回引っ越しをし,会社も移転し,その前に初めて入院し,14年ぶりに海外へ行き,などいろいろなことがあったので「あっという間」とは思わないが,うろうろばたばた右往左往しているうちに10年が過ぎた。これまでの記事数は854本で,今は週刊誌状態がやっとだが以前はもっと頻度が高かったので,平均すると4.3日に1本ということになる。
 ブログを始めたきっかけは,「ブログ1週間」(2004/03/22)にあるとおり,クラシック系サイトの雄かつ老舗の「CLASSICA」の一部がブログ化されたことだった。スタートして3本目の記事は,神保町の桜(実はアンズだったのだが)の話で,以来例年(ただし,2011年を除く),「ブログ記念日」の前後には春のきざしの話題が多い。
 今年は2度の大雪があり,その後もなかなか気温が上がらない。このところ,日差しは少し春を思わせるが,風はまだまだ冷たい。それでも,地球は公転を続けている限り,春はやってくる。

 春は,税金の申告の季節である。3年前,地震の3日後に思ったのは,申告書を提出した後でよかった,ということだった。以来,3月11日よりは前に出すようにしている。
 いつも思うのだが,国税庁のサイトにある「確定申告書作成コーナー」は,実によくできている。前の年の基本データを読み込んで,源泉徴収票や医療費の領収書その他の書類を見ながら今年の数字を入力すれば,すべていろいろ連動して計算される。最後は pdfファイルになるので,それをプリントアウトしたものを提出すればよい。

 少し暖かかった12日夜は,新国立劇場のコルンゴルト『死の都』を見に出かけた。新制作の初日を見るのは初めて。ヘルシンキのプロダクションのレンタルである。
 『死の都』は名前しか知らず,音を耳にするのは初めてだった。リヒャルト・シュトラウスの弟という感じの芳醇・妖艶・濃厚・華麗かつ繊細な調性音楽がとめどなくあふれてくる。これが23歳の若者の作品というのは信じがたい。舞台もいろいろ工夫され,充実の正味150分だった。

[ブログ記念日の記事]
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Mar 02, 2014

鴨汁そば・かおり丼・居酒屋のロンド

 会社の近くの手打ち蕎麦の店で,ランチサービスに「鴨汁そば」というのがあったので,頼んでみた。鴨せいろが750円なら安いなと思ったのだが,出てきたのは「鴨の味の出た汁」とせいろで,当然,鴨肉は入っていない。味はよかったけれど,夕方には腹が減った。後でよく見たら,メニューには「鴨そば」もちゃんとあって,1400円だった。

 だいぶ前に,東京の下町の方のうなぎ屋で,300円(だったと思う)の「かおり丼」というのがメニューにあると紹介されていた。供されるのはご飯と漬け物で,店内のうなぎのかおりをおかずに食べる。もちろん半ば冗談だが,話をききつけてやってきて注文する人がときどきいるそうだ。

 食事のとき,おかずが1つだけという状態をなるべく避けるようにしている。「1つ」の定義はあいまいだが,カツ丼ならカツと卵という性格の違う要素があって「単調」という感じがあまりしないのに対し,牛丼は材料も味も「1つ」なので,食べるときはサラダを添える,といった次第。ラーメンやカレーでも,何かトッピングを追加することが多い。
 この点,「定食」メニューだとご飯,みそ汁(または他のスープ),小さなおかず(またはサラダ)などがついていて,変化に富んでいるし,栄養バランスもよい。
 居酒屋でもつまみを,安い店なら3品ぐらいはとる。このとき,1品はサイドディッシュとして,他のつまみの合間に最初から飲み終わるまで少しずつ食べるものを選択するようにしている。つまりロンド形式になるが,このロンド主題は軽いもの,つまり漬け物とか,野菜など,あまり味の強くないものがよい。

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