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Apr 10, 2014

上野の春に指輪輝く

 花が散り始めた週末,東京・春祭の『ラインの黄金』の前に,上野を少し歩いた。上野公園の中心部がほぼソメイヨシノのみなのに対し,一段低い不忍池のほとりはいろいろな種類の桜が競い合っていて,まだ三分咲きぐらいの八重桜もあった。
 テーブルの持ち込みは禁止で,みな段ボールをテーブルにしているが,中にはテーブルクロス付きの立派なものもあった。林立している立て看板のひとつの曰く「コンロ,発電機などの火気持ち込み禁止」――発電機自体は火気とはいえないと思うが。
 おそらく上野が一年中でいちばん混む日だったのだろう。混雑は覚悟の上だったが,なかなかまっすぐには歩けず,予定より時間がかかって東京文化会館着。

 東京・春祭の演奏会形式のワグナーを聞くのは昨年の『マイスタージンガー』に続いて2回目,今年から『ニーベルングの指輪』シリーズである。昨年と違って,スクリーンには場によって変わる背景画が出るのみで,字幕は両袖の電光掲示板に移って見やすくなった。
 指揮者のマレク・ヤノフスキは,生で聞くのは初めて。もう後期高齢者だと思うが,あまりもったいぶらずに前進する。歌手およびN響も好演,特にアルベリヒ。燕尾服で姿が立派なミーメが哀れに歌うのは演奏会形式ならではである。
 ヤノフスキの名を最初に知ったのは,ドレスデン歌劇場のメンバーで録音した『指輪』のLPでだった。これはスタジオ録音――正確には,場所はスタジオではなかったと思うが,ともかくライブではなく録音のためのセッションでの録音――だったのではなかろうか。だとすると,これも今はほとんどありえない絶滅種ということになる。

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