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Apr 20, 2014

『イーゴリ公』と『ウェルテル』

 メト・ライブビューイングの『イーゴリ公』『ウェルテル』を2週続けて見た。
 『イーゴリ公』(井伊呉利公って書くとちょっと殿様みたい?)は,事前に一面に赤いポピーの咲く野原の場面が特に宣伝されていた。それは確かに美しい舞台だったが,幻想の場面に置き換えたにしてはなんだか幻想的ではなく,全体から浮いた感じだった。歌は立派。
 『イーゴリ公』の上演はメトではほぼ100年ぶりだという。日本では少なくとも2回,ボリショイ劇場とマリーンスキー劇場によって上演されている。
 この物語,ロシアが他民族に侵攻して失敗する話である。イーゴリ公が出陣して行方不明になったあと,義弟のガーリツキイを擁立すべく「民衆を集めて新しい公を選ぼう」という場面があり,住民投票を経てロシア編入という最近の動きを思い起こさせずにはいられなかった。ちなみに,ヤロスラーヴナ役はウクライナ人だった。

 『ウェルテル』は,歌はさらにすばらしく,舞台も美しく機能的で,今までのメトのシリーズでも屈指の好演だった。特にタイトル・ロールのヨナス・カウフマンはフランス語も自然。(昔,正月のテレビのスター隠し芸大会でフランス語劇があったとき,英語劇に比べて著しく水準が低かったのを思い出してしまった。)
 幕間のインタビューで指揮者が,オーケストラの特徴としてサクソフォンの使用を挙げていた。前に同じメトのライブで,トマの『ハムレット』でもサクソフォンが活躍していた。

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 少し前のことだが,当ブログに毎週30~40ぐらいやってくるスパム・コメントを削除するときに,間違えてスパムでないコメントを,たぶん2つぐらい削除してしまった。コメントをお送りいただいた方,申しわけありません。

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Comments

ウクライナについての関心も知識も乏しいので、キエフというとラベルのオーケストレーションを、クリミアというとメンソレータムを連想してしまいますが、真性のものとは言い難いのかもしれませんね。

Posted by: P.O. | Apr 21, 2014 at 08:35 PM

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