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June 2015

Jun 28, 2015

展覧会の英語タイトル

 会期があと10日になった週末に,「ボッティチェリとルネサンス――フィレンツェの富と美」展(Bunkamura)を見た。密度が高くてお買い得の展覧会だった。
 入り口の看板をあらためて見たら,この展覧会には Money and Beauty―Botticelli and the Renaissance in Florence という英語タイトルがついていた。日本語の副題の後半「富と美」がメイン・タイトルになっている。展示はフィレンツェの金貨で始まっていて,説明もルネサンスの経済的背景にかなり重点があり,英語の方が企画の意図を直接語っているようだった。
 そういえば,今年の正月に見た「ボストン美術館 ミレー展」(三菱一号館)の英語タイトルは Millet, Barbizon and Fontainebleau と固有名詞を並べたものになっていた。こちらはミレーだけが共通で,内容を別の面から言っている。

 日本語のうまい外国人タレントはたくさんいるが,どんな話題でもこなし,口語表現にも強いという点では,デーブ・スペクターがいちばんだと思う。あまりに日本的な日本語を話すので,いつか米国でインタビューしているのを見て,そうか英語もできるんだったな,と思ってしまった。

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Jun 20, 2015

アコギ・未亡人・傘・ぬめり石

 お茶の水駅近くのある店に「日本一のアコギフロア」と書いてあった。一瞬,どんな阿漕な商売をしているのかと思ったが,楽器屋なので,「アコギ」というのはどうやらアコースティックギターの略らしいと気づいた。

 いつも変な言葉だなと思うのは「未亡人」。だって,文字通りには「まだ亡くなっていない人」という意味のはずだから,生きている人はすべて未亡人ということになる。
 辞典によると,夫が死んだあとにまだ生き残っている人という意味で,元来は自称なのだという。

 今年の梅雨はかなり勤勉に雨を降らせている。昨日も断続的に降って,時にはけっこう強い雨となった。
 職場の女性Aさんは常に小さい折りたたみ傘を持ち歩いていて,「私は,備えよ常に,なの」。それに対し女性Bさんはなるべく荷物を軽くしたいのでふだん傘は持ち歩かない。「私は,さぼれよ常に,ね」

 昔のある名簿をめくっていたら,「字ぬめり石」という地名が神戸にあるのを見つけた。梅雨時でなくてもぬれているのかも。そういえば昔「土手の南」という地名を見たことがある,と思ってネットを検索したが,見当たらず,代わりに,秋田に「字土手下」という場所があるのを見つけた。
 このごろは大小を問わず名簿というものが作られなくなった。

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Jun 11, 2015

全線開通,全曲貫通

 5月30日に,震災以来不通だった仙石線の高樹町ー陸前小野が開通した。被災地域の復旧途上の鉄道に唯一乗ったのがこの仙石線で,そのときは当然「終点」の高樹町まで行って引き返した(→参照)。
 今回,復旧区間の真ん中の陸前大塚から先は高台に新しい線路が作られ,さらに,すぐ近くを走る東北本線に途中で乗り入れる新しい快速ルート「仙石東北ライン」が開通した。東北地方の鉄道については「完乗」タイトルを維持しているので,新ルートができたとなれば,乗りに行かなくては。
 これで,震災関連の残る不通区間は,山田線(釜石~宮古間),常磐線(竜田~原ノ町間46km・相馬~浜吉田間22.6km)となった。このうち,山田線区間は三陸鉄道に移管されて,2016年に一部開通となる。常磐線は,相馬~浜吉田間は2017年開通の予定,竜田~原ノ町間は両側から順次開通するが,真ん中の原発間近の富岡~浪江間が時期未定のままである。

 無料配布の情報誌『ぶらあぼ』をめくっていて驚いた。ダニエル・バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリンが来年2月,サントリー・ホールでブルックナーの交響曲全曲(1番以降の9曲;習作の0番,00番はなし)を演奏するという。ベートーヴェンなら1日2曲,無理すれば1日3曲(例:2013年のウィーン・フィル)も可能だが,ブルックナーではそうはいかないので当然1日1曲。で,5,7,8番以外の日は,バレンボイムの弾き振りでモーツァルトのピアノ協奏曲(20,22~24,26,27番)という大型前座がつく。(→参照
 シュターツカペレ・ベルリンは1か月近く日本にいて,仙台など4都市でもブルックナーを演奏する(ほかに3都市で他の指揮者・プログラムで公演)。
 1990年の東京芸術劇場の開場のとき,ジュゼッペ・シノーポリ指揮フィルハーモニア管弦楽団がマーラーの交響曲全曲を演奏したが,このときのシノーポリは44歳の若さだった。ショルティ,マゼール亡きあと,ズビン・メータと共に不死身指揮者の系譜を継いでいるバレンボイムは,公演時73歳のはず。バレンボイムのブルックナーは若いときからかなりゆったりしていたという印象があるから,きっと長い演奏会になるだろう。1曲ぐらい聞いてみたい気はするが。

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Jun 01, 2015

今春の新国立劇場

 新国立劇場の2014-15シーズン後半は,『マノン・レスコー』『運命の力』『椿姫』『ばらの騎士』と進んで,残るは6月の松村禎三『沈黙』のみとなった。
 3月の『マノン・レスコー』は,プレミエを目前にして震災のため中止になった新演出が,4年たってようやく上演となったもの。歌手も4年前の予定とほぼ同じ人がそろった。このオペラは,第1幕は飲んで騒いでにぎやかだが,だんだん寂しくなって,第4幕は2人で砂漠をさまようという究極の竜頭蛇尾。最終幕全体がまったく2人だけというオペラは他に思いつかない。
 5月の『椿姫』は新制作。パーティーの場面も含めて舞台装置は抽象的でブルー系が基本で,あえて華やかさを排除したものだった。意味不明のところもあったが,音楽をじゃましないのは良い。ヴィオレッタがちらし写真ではおかめ顔で,太ったおばさんかと覚悟していたが,実際には太くなくてまあまあ若く,歌も良くて一安心。ジェルモン父子は,悪くはないがいまひとつぴりっとせず。

 続いてのジョナサン・ミラー演出の『ばらの騎士』はプレミエが2007年(→参照),再演が2011年4月で,今回が3回目。再演のときは震災後初めてのオペラで,出演者がばたばた変わったりしてやや落ち着かない上演だったが,今回はかなりの成熟を見せた。時代設定を初演(1911)のころに移しているので,舞台装置は伝統的なものとは違うが,具象的ですっきりとしている。ミラー演出の常で窓の外から降り注ぐ光が美しい(光のほか雨も降り注ぐ)。
 元帥夫人は,2007年のドレスデンの来日公演で同じ役を歌った人だった。美しくコントロールされた声。オックスは上品で貴族の風格があり,年の差はあるけれど,これならゾフィーだってまんざらでもないのでは,と思ってしまった。オクタヴィアンは美人すぎて男らしくはない。ファーニナルは立派すぎて,成り上がり者には見えない。(以上,言いがかり)
 ピットを深くしていたせいか,オーケストラの響きが曇り気味で,指揮も最初は固い感じだったが,やがて調子が出てきて,第1幕後半以降はなかなかの職人芸を聞かせてくれた。

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