« 新駅「小田栄」探訪 | Main | 演奏家からの転身 »

May 30, 2016

再び世界水準,フォークトの『ローエングリン』

 新国立劇場の『ローエングリン』は,前回2012年のプレミエのとき(→参照)と同様,タイトルロールのクラウス・フロリアン・フォークトが絶好調で,最弱音から最強音まで美しい声を披露してくれた。他の主役4人は前回と違う人だが,いずれも立派だった。そのうちエルザは,顔をオペラグラスで見ると年がわかってしまうが,ほっそりしていてスタイル抜群で(前回のエルザは,特に太っているわけではなかったが,少しずんぐりしていた),2幕で高いところにすっくと立った姿が美しく,しかも声は澄んで強靱だった。ちょっと強靱一方という感じもあったが。
 前回の時,フォークトというのは原綴はわずか4文字 Vogt で短い名だなと思ったのだが,今回の英文のメンバー表を見たら,5人の西欧人歌手の姓が全員アルファベット5文字以下だった(Bauer,Uhl,Linn,Lang)。こういうことはかなり珍しい。(Lang はちょっと長そうな名前だが。)

 フォークトは元はバリバリのホルン奏者で,ハンブルクの州立歌劇場に数年いる間にワグナーのほとんどの曲のホルンを吹いたことがあるという。公演後に聞いたところでは,この日の開演前,久しぶりにホルンを手にして,東フィルの人たちと共に『魔弾の射手』の一節を吹いたとのこと。ジークフリートを歌って自分で舞台上でホルンを吹けば,大谷も真っ青の二刀流になるのだが。
 フォークトの次の大きな予定は,バイロイトの今年の新制作の『パルシファル』で,来月からリハーサルが始まる。来年5月にはバイエルン州立歌劇場で『タンホイザー』のプレミエがあり,これは来年秋,東京でも上演される(今回初めて,「フォークト,次はタンホイザーだ」という予告チラシが入っていた)。

|

« 新駅「小田栄」探訪 | Main | 演奏家からの転身 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23118/63707195

Listed below are links to weblogs that reference 再び世界水準,フォークトの『ローエングリン』:

« 新駅「小田栄」探訪 | Main | 演奏家からの転身 »