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Mar 28, 2017

新国立劇場の『ルチア』/開いたチューリップ

 定番名曲路線を走る新国立劇場の今シーズンの演目の中で,「指輪」以外の唯一の新制作演目が3月の『ルチア』だった。もともと持っていた切符を振り替えて,行ったのは5回公演の最終日。主要歌手4名はいずれも,美しいメロディがとめどなくあふれてくるドニゼッティ節を堪能させてくれて,客席は大いに沸いた。歌手はカーテンコールではかなり弾けて,オケピットやプロンプターボックスに手を伸ばして握手したり,合唱のメンバーの手を引っ張って前に出るように促したりしていた。
 「狂乱の場」のオブリガートは,フルートでなく大型のグラスハーモニカで演奏された。これが作曲者の元々の意図だという。フルートのようにソプラノにぴったり寄り添って溶け合うのではなく,神秘的な音でほわっと包み込むような非現実的な響きで,「狂乱」というより「幻視の場」だった。奏者のレッケルト氏は,50以上の歌劇場で『ルチア』を演奏してきたとのこと(→参照)。
 演出家はモナコのモンテカルロ歌劇場の総監督で,この『ルチア』はモンテカルロでも上演されるが,それはまだ2年半も先のことである。(モンテカルロ歌劇場のサイトには,東京初日の映像つきニュースが出ている。)

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 東京・靖国神社の標本木の桜はいち早く開いたようだが,その後は寒い日が続き,開花はあまり進んでいない。見ごろは来週になるのでは?

 春が来ると思い出す。今は昔,息子が3歳ぐらいのとき,ベランダに置いてあった鉢植えのチューリップを見て,「チューリップ,開いてきたよ」という。そうか咲いたかと見に行ったら,花の形がなんとなくおかしい。実は恐ろしいことにこの「開く」は他動詞で,「チューリップ(を,僕が手で強引に)開いてきたよ」という意味だったのである。

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Comments

すみません。爆笑してしまいましたo(*^▽^*)o
でも、微笑ましい

Posted by: リンデ | Apr 04, 2017 at 08:42 AM

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