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Dec 24, 2017

今秋以降に読んだ本の中から

 まず,飯間浩明『小説の言葉尻をとらえてみた』(光文社新書)では,国語辞典編纂者が,現代日本語の用例を求めて小説の中の世界に入っていく。対象になるのは,1960年以降生まれの作者による,2004年以降に発表された小説15編。
 新語やいかにも若者言葉といったものも出てくるが,それよりも「さっきの今」「売るほどある」「見物しいの,拝みいの」といったフレーズや「刹那」の副詞用法(単独で「その刹那に」の意味で使う)など,人の目で見ないと採集が難しそうなものがおもしろい。新しい言葉とされるが実は昔からある言い方だったり,方言の断片だったり,その姿は多彩である。先日書いた「綺羅星」のことも出てきた(→参照)。

 読売日本交響楽団編『オーケストラ解体新書』(中央公論新社)は,プロのオーケストラの活動はどのようにして進められていくのかを,事務局が中心になってまとめたもの。指揮者や楽団員の発言はいろいろな形で伝わってくるが,事務局,特に制作部,ライブラリアン,ステージマネージャー,楽器運搬など,裏方のプロ集団の仕事がこれだけまとめて紹介されたのは希有のことだ。

 もうひとつ読売がらみで,読売新聞文化部『唱歌・童謡ものがたり』(岩波現代文庫)は,90年代に読売新聞に連載されたものが,1999年になぜか岩波書店から単行本で出たのが元版である。2013年に岩波現代文庫になってからも版を重ねているロングセラー。
 連載は大部分20年以上前なので,取材を受けている人々(おもに作詞者・作曲者)には今は故人となっているであろう人も多く,貴重な証言ばかりである。それぞれの歌に物語があり,それぞれ目頭が熱くなる。先日書いた「真白き富士の根」もとりあげられている(→参照)。

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 少し前にNHKのTVで,阿久悠を回顧するコンサートに岩崎宏美が出て「思秋期」を歌っていた。だいぶ顔がふっくらして,かわいいおばさまになっていた。

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Comments

 飯間さんは、ツイートがとても面白いんです。時々読んで、笑い転げてます。

Posted by: リンデ | Dec 24, 2017 at 11:51 AM

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