日記・コラム・つぶやき

Jan 19, 2019

私が聞いたテオ・アダム

 バスバリトンのテオ・アダムが1月10日に亡くなったというのを,いくつかの個人のブログで知った(日本の新聞では訃報を見かけなかったように思う)。1926年生まれで,享年92歳。2004年に死去したニコライ・ギャウロフより3歳上だった。
 私の「見たオペラリスト」(→本拠地)のいちばん最初はバイエルン州立歌劇場の1974年の初来日公演だが,そのときの名歌手勢そろい踏みの『ワルキューレ』(→参照)でヴォータンを歌ったのがテオ・アダムだった。当時48歳だったことになる。
 以後,伯爵(フィガロの結婚),ジュリオ・チェーザレ(ヘンデル),ザラストロ,オランダ人,マルケ王,ドン・アルフォンソの計7つの役を,ベルリン国立歌劇場(当時東ベルリン),ウィーン国立歌劇場,バイエルン州立歌劇場の来日公演で見た。すべて30年以上前のことになってしまったが,1986年のマルケ王のときの別格の存在感は印象的だった。
 1988年のバイエルン州立歌劇場公演で,テオ・アダムは『コジ・ファン・トゥッテ』のアルフォンソを歌った。これが結果的に,実演を聞いた最後の公演ということになった。
 このときの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』は,当時毎年ミュンヘン音楽祭の最終日を飾っていた超豪華キャストによる祝祭的上演の再現で,ハンス・ザックスは全4回ともベルント・ヴァイクルの予定だった。しかし,実際には最終回の横浜公演のみ,急遽テオ・アダムがザックスを歌ったことを,後になって知った。

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Jan 10, 2019

神保町 冬の便りは順不同

◇錦華通りを北へ200mほど行った右側の小道にある「<和亭>かもん」が12月からランチを始めた。かなり昔からある小料理屋だが,中の様子はわからず,入りにくい店だった。ランチは,海鮮たるたる丼,刺身定食,鯛茶漬け,まぐろ漬け丼が「常任」,日替わりが1種というラインナップ。

◇靖国通り南側,マカラズヤ前の信号のそばの海鮮丼の店「きときと」は,「店内改装のため」10月半ばから1か月半以上休業していた。小規模な店の改装としてはあまり聞かないような長期間だ。
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◇錦華通りを北へ200mほど行った左側に,コーヒー豆の店「青海珈琲」(「チンハイ」ではなく「あおみ」と読む)ができた。豆を焙煎して販売する店だが,「テイスティング」として,機械で淹れたコーヒーを持ち帰れるようになっている。100円のブレンドと200円の上級版の計4種あり,コインを箱に入れて,コンビニのコーヒーのように自分でボタンを押して淹れる。3種類飲んでみたが,200円の方も十分お買い得だった。

◇錦華通りの同じ左側のすぐ先,前は「東京ブッチャーズ」があった場所に,11月20日,「<四川大衆>ハォワール(好玩儿)」が開店した。ランチは麻婆豆腐,汁なし担々麺,麻辣麺の3種。一昨年から担々麺の店が次々とできた錦華通りにまたひとつ担々麺が登場したわけだが,ここはどちらかというと居酒屋に重点を置いているらしい。

◇神保町駅A5出口(交差点の北東側)からすぐの所の新築ビルは,11月ぐらいに完成したはいいがほとんど空き家らしく,全階にわたる「テナント募集」の貼り紙が出ている。

◇都営地下鉄の北側の改札口(新宿線本八幡行きホームからすぐ)の向きが,12月23-24日の連休のころに,西向きから北向きと北西向きに変わった。駅の改修工事の進展に伴うもので,今までの改札口はまったくの仮設だったが,今度のは少ししっかりしているようで,このまま「本番用」にするのかもしれない。

◇靖国通り北側の2017年秋に閉店したスタバがあったビル(マクドナルド隣り)は,ずっと空き家になっていたが,1月になって建て替え予定が掲示された。


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Jan 08, 2019

神保町「満留賀」年越さず

 神保町初詣の日の衝撃だった。1月7日朝,靖国通りからランチョン脇を北へ曲がった通りで目に入ったのが,古い蕎麦屋「満留賀」の貼り紙だった。曰く「当店は12月31日をもちまして閉店いたします」――「12月吉日」付の予告の文面だが,年内には気づかなかった。
 驚きつつ写真を撮っていたら,同じく足を止めた中年男性が「えーっ,閉店ですか」と貼り紙を熟読していた。「本当に楽しい70年でした。」と明るく特筆大書してあるのがかえって寂しい。隣には新そばの貼り紙が残っている。
 37年余り神保町近くに勤めていた間はたまにしか行かなかったが,今の仕事場からは便利なので前よりよく行っていた。古典的な気軽な町の蕎麦屋で,客は全体としてはおじさんが多いが,特に夏は冷やしものを求めて,それほど年ではない女性もけっこう来ていた。
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Jan 04, 2019

頌春 2019

  ~~~~ あけましておめでとうございます ~~~~

 今年3月で開設からまる15年を迎えるこのブログを,今年もよろしくお願い申しあげます。

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 昨年は,わが家に子供たちの家族が集まって新年を祝った。今年は,孫が3人になって,うち1人は勝手に歩き回るようになり,わが家で新春の賀宴を開くためには,幼児が安全に過ごせるように家の中を片付けなければならない。しかしこれが考えるだけで大変で,やむなく,半年前に引っ越したばかりで物が少ない長女宅を会場にすることにした。
 食べ物は昨年までとほぼ同様で,29日に長女宅に出張してゆで豚を作り,31日に既製のおせち料理を持参し,雑煮の準備をし,紅白なますを作った。
 雑煮は,これもここ数年同じで,日ごろ愛用している茅乃舎のだしと干し椎茸でとっただし汁による醤油味,具は鶏肉,小松菜,ニンジン,椎茸,なるとに柚子で香りづけ,餅は焼いた切り餅という東京風。
 元日の昼,4世代の家族12人が集まって,にぎやかな宴となった。乳児・幼児・後期高齢者の輸送の都合で,私はノンアルコール・ビールで乾杯。

 帰宅後,夜,ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートを見ながら,独自にビールで乾杯した。

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Dec 26, 2018

楽しく酒を飲むために

 テレビで酒の飲み方の話が出て,「意外なことに,悪酔い対策にはつまみに油ものを食べるのがいいそうです」と言っている。あれ,最近本で読んだのと同じ内容だなと思ったら,まさにその本が紹介されていた。それは,葉石かおり著『酒好き医師が教える最高の飲み方』(日経BP)。昨年(2017)11月発売だが,私が今年11月に買ったのは11刷で,よく売れているようだ。
 内容は,酒ジャーナリストでもちろん酒好きの著者が25人の医師にインタビューしたもので,酒と体の関係をいろいろな角度から探ったもの。そして,その医師というのが大部分酒好きというのがミソである。専門の異なる多くの医師だから,その見解にはばらつきも少なくない。つまみには何がいいかということでも,上記の油もののほかタンパク質,ビタミンB1を含むもの,緑黄野菜などいろいろ挙げられていて,みな食べているとそれだけで腹が一杯になりそうだ。
 でもまあ大原則は,結局は「適量を飲め」ということになる。その適量がどのぐらいかは,生まれながらのアルコール分解酵素の型を初めとしていろいろな要素があるので,そう簡単には言えないということのようだが,多くの医師が言っているのは1日に「純アルコール量で20グラム」,ということはビール中瓶(500ml)1本,日本酒なら約1合という数字である。(純アルコール量というのは,アルコール度数の0.8倍。すなわち,ビール500mlだと500×5%×0.8で20gとなる。)
 うーん,これはきつい。で,この本の中でちばん緩やかな基準を探すと,p.80に「多少のリスクを受け入れるとしたら(週に)300gを上限とする」という記述があった。これだと,週1日の休肝日を設けるとすれば他の6日は50g,ということはビールだと1250ml,酒なら417mlになり,まあある程度満足できそうだ。というわけで,とりあえずこれを「採用」することにした。

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 写真(click to enlarge)は東京をちょっとだけ離れた某所の貼り紙。「塀から離れろ」というが,近寄らないとこの掲示は読めない。
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Dec 20, 2018

新国立劇場の今シーズン/初冬だより

 新国立劇場のオペラは,10月,大野和士氏が音楽監督になって最初のシーズンを迎えた。といっても,オペラの計画を決めるには長い時間がかかるから,前にも書いたけれど,4年間の任期の内容はすでに固まっていて,その次の4年間の仕込みがもう始まっているのだろうと思う。
 シーズン開幕は,新制作の『魔笛』。ウィリアム・ケントリッジ演出で,ブリュッセルのモネ劇場での上演をリニューアルして移植したもの。主にプロジェクター投影による舞台装置がほぼ白黒なのに対し,歌手は比較的伝統的なカラフルな衣装で,よくわからないところもあったが,音楽の邪魔はしないので楽しめる舞台だった。
 『魔笛』の後は,再演の『カルメン』『ファルスタッフ』が続いた。鵜野仁演出の『カルメン』は5回目,ジョナサン・ミラー演出の『ファルスタッフ』は4回目の上演で,指揮者・歌手はその都度変わるが,もはや手の内に入った安定した舞台だった。特に『ファルスタッフ』の光あふれる美しい舞台は貴重な財産である。
 来年は,1月下旬,『タンホイザー』で始まる。

 12月初め,神保町の錦華公園脇のビルの壁が,紅葉した大きな葉に覆われていた。ヤツデのような手のひら形で幅は10~14cmぐらいあるが,ヤツデは常緑だし,ヤツデより少ない3つぐらいの「指」に分かれている。ネットでみた紅葉の画像では,橄欖槭(カンランセキ)という中国種の樹の葉がいちばん似ているが,さてどうなのだろう。  (Click to enlarge→)
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 12月16日の東京の最低気温はかろうじてプラスの0.4度,最高気温は5.8度で,今シーズン最低になった。12月4日には最高気温が23.4度,翌5日にも20.2度を記録していたから,10日余りで20度の急下降である。
 で,冬の守護聖人,聖ヒートテックにお出ましいただいた。

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Dec 13, 2018

フェルメール――30年で20/35

承前
 今回のフェルメール展で,分厚くて重い公式図録とは別に,AERAムック『フェルメール展 公式ガイドブック』というのがあったので買ってみたところ,画家とその作品についての基本的なデータが載っていて,保存するに足る内容だった。
 重要なデータのひとつは,フェルメール作品の来日記録である。来日は1968年に始まり,今回初来日の3点を含めて,全35点中,23点がやってきたという。私は1987年の「西洋の美術展」以降,17回のうち14回の展覧会に行って,全部で20点見たことになるらしい。さらに,今回1月9日から展示される「取り持ち女」(初来日)と大阪でのみ見られる「恋文」を見れば計22点になる。所蔵美術館まで出かけないでこれだけ見られるのは「絵画幸う東京」ならではのことである。
 同時に来日した点数がこれまででもっとも多かったのは,2008年の「フェルメール展」の7点だった。このときのことはこのブログにも,「(7点というのは)空前のことであり,たぶん絶後となろう」と書いたが(→参照),今回(同時には)これを上回る8点で,実際には「絶後」ではなかったことになる。
 上記1987年の「西洋の美術展」は,ゴヤの「巨人」を初めとする大作が目白押しで,フェルメールはやや影が薄かった。しかしその後,2000年に大阪でのみ開かれた「フェルメールとその時代展」あたりを転換点として,フェルメールの「神格化」が進んだような印象がある。

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Dec 05, 2018

即位10連休/茶飲み話/機動救助隊/薫るルージュ

 12月4日,「Googleカレンダー」で来年4~5月のページを見ていたら,その日衆議院で可決されたばかりの臨時の休日「即位の日」(5/1)とその前後の「即位10連休」が早くも表示されていた。まだ参議院があるので成立はしていないのに,妙に先走っている。しかも,いっしょに同じ法改正で臨時休日になるはずの即位礼の日(10/22)はまだ書き込まれていない。
 なお,衆議院のサイトによれば,この法案の「本文」は「天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日は、休日とする。」という1行のみで,附則も含めて,日付も祝日の名前も記されていない。参議院で可決して成立しても,カレンダーにどう書けばいいのだろうか。
 ネットのニュースで見ただけだが,新元号の発表は実施(5/1)の「1か月前以降」にする方向だという。早くわかる方がだれにとってもいいことだと思うのに,愚かなことだ。生前退位の検討が行われる中では「改元は元日」という「合理的」な案があったし,「新元号は半年ぐらい前に発表」という話も出ていたのだが。

    *
 日米の首脳会談は,少なくとも1960年代ぐらいまでは,何年かに一度の大行事だった。首相の訪米するとなれば,新聞は何日も前から書きたてた。
 それが今は,トランプ大統領が就任してからの1年半の間に,直接会談が6回あったという。電話会談に至っては23回で,24日に1回という頻度になる。茶飲み話と化したか。

    *
 サイレンを鳴らしていく警察の車の中に,横腹に「警視庁 機動救助隊」と書かれた見慣れない車が2台あった。緑がかった青に塗られ,ゴミ収集車を大きくしたような車だった。

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 11月20日,ヱビスビールの季節商品「薫るルージュ」が発売になった。

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Nov 29, 2018

フェルメール展――8点結集の奇跡

 某平日,「フェルメール展」へ出かけた。今回は,初来日2点(会期後半に入れ替わりでもう1点来る)を含め,フェルメールの現存作品35点のうちなんと8点(入れ替わりがあるので延べ9点)も同時にやってくるという,空前絶後,史上最強の展示である。
 しかし実際には,展示内容以外に,いろいろユニークな点がある展覧会だった。
 まず,会場が西郷さんにほど近い上野の森美術館であること。このところ東京都美術館が多くて,上野の森は15年ぶりだった。
 次に,チケットが日時指定入場制であること。1日に6つの時間枠(1枠が1時間半,朝と夜は1時間)が設けられ,その枠の時間内に入場する。指定されているのは入場の時間枠であって,その枠内ならいつ入場してもいいし,入ってしまえば中で長居をしてもよい。ウェブサイトには「各時間枠の入場開始直後は入場待ち列ができます。時間枠内後半でのご来場をおすすめします。」とあったので1時間半のうちの1時間近く過ぎたころに行ったら,列がやはり少しできていて,5分ぐらい並んだ。
 今回の展示でもうひとつ初めての経験だったのは,イヤホンガイドが無料だったこと。並んだ先で何かに時間がかかっていると思ったら,ほぼ全員に器械と片耳イヤホンを渡しているのだった。普通の展覧会の500円以上するイヤホンガイドに比べると正味の時間が20分と短いが,全体の点数が多くないのでこれでもまあよい。
 イヤホンガイドの隣では,ハガキサイズの小冊子に印刷された出品目録が配られた。1ページに1点ずつ,作者,タイトル,制作年,画材,サイズ,所蔵者等のデータ(英語併記),そしてハヅキルーペがなくても読めるようにかなり大きな字で簡単な解説が書いてある。絵の脇の壁に書いてあるのは作者とタイトルのみなので(壁に直接どうやって印刷したのか不思議),他のデータと解説は小冊子を見ることになる。なるほど,絵の近くが混雑しないようにという策略か。

 で,フェルメール御大の8点は青い壁の一室に集まっていた。フェルメールをいちばん多く所蔵しているのはニューヨークのメトロポリタン美術館の5点,次がアムステルダム美術館の4点だから,8点が一室というのは普通はありえない光景である。
 初来日は「赤い帽子の娘」「ワイングラス」の2点。(「赤い帽子の娘」は,会期後半に別の初来日作品「取り持ち女」と入れ替わる。)このうち,「赤い帽子の娘」はフェルメールの最も小さい作品であり,逆に最も大きいのは,共に来日している「マルタとマリアの家のキリスト」だという。
 混雑していたが,「聖堂」は荘厳な雰囲気に満たされていた。
    [この項 →続く

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Nov 21, 2018

神保町だより 2018年11月

 8月に白山通りに面して出版クラブビルが竣工(神保町1-32),10月から本格的に稼働している。テナントは主に出版関係の業界団体で,パーティーができる部屋もあるようだが,飲食店は1階に「鶏 くるり」という店ひとつだけ。
 そこの昼食は「チキンブロススープセット」「から揚げセット」「鶏そばセット」の3種。前2者はご飯が(普通の)白米,雑穀米,今井米(というプレミアム米)から選べるということになっているが,私が行った日は白米しかなかった。で,食べたのは「チキンブロススープセット」1180円。鶏と大きめの野菜が入ったポトフのようなスープがメインディッシュで,良い味だった。量はやや少なめ。
 なお,brothは澄んだスープのことなので,「ブロススープ」は冗語気味。
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           (Click to enlarge)
 久しぶりにすずらん通りへ行ってみたら,白山通りへの出口の南角のビルが壊されて,更地になっていた。昔は「理髪一番」という床屋があって,比較的速くて昼休みでもなんとか行けたので,QBハウスが進出する前はときどき行っていた。
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 その近くの向かい側,揚子江菜館の隣りのコンクリートの建物の「酔っ手羽」は,建物に「24時間営業」と書いてあるが,昼に通ったら閉まっている。扉を見ると貼り紙があり,いわく,「まことにくやしながら しばらくのあいだ 営業時間を17:00~翌5時 と させていただきます」。くやしながら,か。
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 完全禁煙の飲み屋として6月に開店した「酔いの月」(→参照)があえなく閉店し,「テナント募集中」の表示が出ている。心の中のエールだけだったのが申しわけない。

 先日書いた錦華通りの「五ノ井」の立て看板に,ある日,店名の説明が書いてあった。
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