Beethoven Conspiracy
国立新美術館にフェルメールを見に行ったら,フランク・ウイン著『私はフェルメール――20世紀最大の贋作事件』(ランダムハウス講談社)がちゃんと置いてあった。フェルメールの贋作者であるハン・ファン・メーヘレンという人の伝記である。
iioさんのブログでは,この本を紹介するとともに,音楽の贋作について思いをはせていた。それで久しぶりに思い出したのはトマス・ハウザー『死のシンフォニー』(創元推理文庫)である。この本のカバーには Beethoven Conspiracy という原題が書いてあってそこですでに半分ネタバレだが,ベートーヴェンの未発見の作品をめぐるミステリーで,非常に珍しいことにヴィオラ奏者(女性)が主人公である。
ミステリーをあまり多くは読んでいない者としては,最後の方はミステリーとはいえなくなってしまうような感じもしたが,おもしろく一気に読んだ。
音楽や演奏家に関するディテイルも実によく書いてあって,主人公のリサイタルの曲目など,友人のプロのヴィオラ奏者が感嘆していた。
映画の邦題はそのままカタカナということが非常に多くなっているから,この小説が今もし映画化されたとしたら,邦題は『ベートーヴェン・コンスピラシー』となりそうだ。
ただし,映画化するには,ベートーヴェンの有能な贋作者が必要だ。まあ一部分あればいいのだけれど。




