オペラ

Oct 08, 2019

停電でオペラに遅刻

 10月の某平日昼過ぎ,突然ブレーカーが働いて家中停電になった。近所では特に騒いでいる様子もなく,うちだけらしい。今の家に住んで9年半になるが,初めての事態である。
 配電盤を見ると,メインのブレーカーが「切」になっていて,戻そうとしても戻らない。あわてて検針票を見て電力会社に電話すると,「はい,5時までにはおうかがいします」と明るい声で出のんびりした返答だった。当日,2時から二期会の『蝶々夫人』を見ることにしていたが間に合いそうもないので,カミさんだけ先に行かせた。
 コンロも電気(IHヒーター)だから使えない。冷蔵庫も止まっている。しかし,とりあえずいちばん困るのはトイレだった。それでも,昼間だから物が見える程度の明るさはあったし,真夏の陽気ではなかったからエアコンが止まってもまあなんとかなった。
 電力会社の人がやってきたのは電話をしてから1時間20分後。メーターボックスを見て配電に異常がないことを確認してから,配電盤の細かく区分されたブレーカーをひとつひとつチェックして,判明した原因は,エアコンのひとつの漏電だった。そのブレーカーだけオフにするとメインのブレーカーのスイッチを入れることができるようになり,電気が回復した。
 エアコンは,室内機と室外機がひとつの電源で動いているという。問題のエアコンはもっとも使用頻度が低いエアコンで,使わなくても特に支障はないが,そんなものがどうして漏電するのだろう。
 オペラは,第2幕に間に合った。

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 映画館でのライブ・ビューイングというと,メトロポリタン・オペラと宝塚歌劇千秋楽などが有名だが,このほど「ぴあ」から来た案内によると,なんと全日本吹奏楽コンクール中学校の部のライブビューイングが10月19日に全国27か所であるという。

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Jul 29, 2019

文学とビールと『トゥーランドット』,そして梅雨明け

 今日7月29日,関東地方がようやく梅雨明けとなった。去年はあきれるほど早く6月29日に梅雨明けを迎えたので,去年よりちょうど1か月遅かったことになる。ずっと激しく降ったわけではないが,ほぼ毎日少しは降っていたという感じだ。
 長雨で,野菜が一時かなり高くなった。特にキュウリは,近くのスーパーのばら売りがふだんは1本38円だが,今月は最高で78円になった。その後下がったが,今も50円台である。

 文京区立森鷗外記念館(最寄り駅は千代田線の千駄木)で,コレクション展「文学とビール――鴎外と味わう麦酒(ビール)の話」を見てきた。ほぼ1部屋のみの展示で,文学(大部分は戦前まで)の中にビールがどのように登場しているかという紹介が主。ビールを描いてもっともウマそうなのは椎名誠だと思うが,そこまでは出てこない。
 付設のカフェでは,オリジナルの「モリキネビール」が飲める。鷗外のふるさと石見の地ビールらしい。
 同展は10月6日まで(8/27 9/24(火)は休館)。9月7日(土)には,『軍服を脱いだ鷗外――青年森林太郎のミュンヘン』という本の著者・美留町義雄氏の講演会があるとのこと。

 新国立劇場の今シーズンの最後の演目,新制作オペラ『トゥーランドット』を7月20日に見た。すでに東京文化会館で3回,新国立劇場で4回,びわ湖ホールで2回の公演が終わり,8月に入って札幌文化芸術劇場で2回上演され,計11回となる。
 指揮は大野和士で,ピットには大野が音楽監督を務めるバルセロナ交響楽団が入っていた。近ごろめずらしい4週間にも及ぶ日本ツアーになる。音は全体として色彩豊かで華やか。歌手は世界水準で粒ぞろいだった。
 で,演出のアレックス・オリエがいろいろな機会に示唆していたのが,作曲が未完のまま終わった最後の部分は「めでたし,めでたし」にはなり得ないということである。まだ公演があるからネタバレは書かないが,それは一瞬のできごとだった。こう来たか,と思う間もなく幕になった。

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Jun 22, 2019

フランコ・ゼッフィレッリ死去

 6月15日,映画監督・演出家フランコ・ゼッフィレッリ氏が死去した。1923年生まれの96歳だった。
 初めてその監督作品に接したのは映画『ロミオとジュリエット』だった。1968年製作なので,ゼッフィレッリは当時45歳だったことになる。昔も今も私は映画にあまり熱心ではないが,このときは何かで紹介を読んで,珍しくちゃんと封切館で見た。十代の終わりごろのことである。
 シェイクスピアの原作どおりの年齢のジュリエットとして起用されたのは,撮影時15~16歳のオリヴィア・ハッセー。華麗なセットの中で,きらめくようにかわいく,初々しかった。ジュリエットだけでなくロミオ役のレナード・ホワイティングも私より若く,年下の俳優が主演する映画を見るのはもちろん初めてだった。ずっと前に書いた(→参照)が,そのオリヴィアが1980年に布施明と結婚するとは思いもよらないことだった。
 『ロミオとジュリエット』から10年あまりたって,ゼッフィレッリをオペラ演出の巨匠として知るようになった。今回調べてみたら,ゼッフィレッリ演出のオペラはこれまでに14回も見ていた(曲目の異なりは9曲)。
 [ロイヤル・オペラ](1979):『トスカ』
 [スカラ座](1981,1986,2009):『オテロ』『ラ・ボエーム』(2回)『トゥーランドット』『アイーダ』
 [メト](1997):『カルメン』『カヴァレリア・ルスティカーナ』&『道化師』『トスカ』
 [ウィーン国立](2004):『ドン・ジョヴァンニ』(以上すべて来日公演)
 [新国立劇場](2009,2013,2018):『アイーダ』(3回)(→参照;→参照
 たいていは舞台装置や衣装も演出家によるもので,『アイーダ』『トゥーランドット』が絢爛豪華なことは話題になるが,もちろんそればかりではなく,いつも具象的で精巧。舞台を見る歓びを味わわせてくれた。ちなみに,『トゥーランドット』のきんきらきんの宮殿は発泡スチロール製だとのこと。

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 先日,赤羽の「まるます家」の全面禁煙のことを書いた(→参照)が,神保町の薩摩焼酎の名店「兵六」は4月からすでに禁煙にしていたことに気づいた。

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May 06, 2019

15周年/今年の新国立劇場/『トゥーランドット』の発車メロディ

 書くのを忘れてしまったが,今年3月14日は当ブログ15周年の日だった。開設は2004年。それまで普通のウェブページ,当時一般的にはホームページと呼ばれていたもの(→参照)をやっていたのだが,日記のような感じで手軽に書くことができるブログというものがあることを畏友ならぬ畏サイト Classica で教わり,こちらに日常の雑記を書き始めた。
 その後,もっと手軽に発信ができる方法が一般的になり,個人のブログは衰退しつつあるように思う。

 新国立劇場の今年のオペラ公演は,『タンホイザー』,『紫苑物語』(西村朗)[初演],『ウェルテル』,『フィレンツェの悲劇』(ツェムリンスキー)&『ジャンニ・スキッキ』と,ほぼ順調に進んできた。
 この中で特に良かったのは3月の『ウェルテル』で,2016年以来の再演。プレミエのときは指揮者とタイトルロールが直前で次々と交代し,波乱の門出だった(→参照;→参照)が,今回は事件はなく無事に開幕した。シャルロットは藤村実穂子さんで,フランス語のオペラへの出演に接するのは初めて。声も姿も若々しく期待以上の素晴らしさだった。

 新国立劇場の今シーズン最後の演目は東京文化会館との共同制作による『トゥーランドット』(7/18~)だが,JR東日本のプレスリリースによると,この東京文化会館でのオペラ上演に合わせ,最寄り駅である上野駅の発車ベルを期間限定で『トゥーランドット』による発車メロディに変更したという。変更箇所は上野駅2・3番線ホーム(山手線内回り・外回り)で,期間は4月20日から7月20日まで。まだ聞いていないが,当然「だれも寝てはならぬ」なんでしょうね。

 

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Feb 25, 2019

追悼 ドナルド・キーン氏

 2月24日,ドナルド・キーン氏死去,享年96歳。
 最初はもちろん,日本文学の研究者・紹介者としてドナルド・キーンという名前を知ったが,その関係の著作をちゃんと読んではいない。しかし,『音盤風刺花伝』『音楽の出会いとよろこび』を読んで,氏が無類のオペラ好きであることを知ってから,勝手に親しみを覚えるようになった。少年のころからメトロポリタン歌劇場に通っていたということで,上記のエッセイ集でも,人の声に対する強い関心と愛が印象的だった。
 2013年に開館したドナルド・キーン・センター柏崎にも行きたいと前から思っているが,まだ果たせないでいる。今年こそ,行かねば。(3月末まで冬季休館中)
 氏と顔を合わせた時のことは,前にこのブログにも書いた(→参照)。その後,5,6年前にMETライブビューイングの会場で見かけたのが,姿を見た最後になった。

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Jan 19, 2019

私が聞いたテオ・アダム

 バスバリトンのテオ・アダムが1月10日に亡くなったというのを,いくつかの個人のブログで知った(日本の新聞では訃報を見かけなかったように思う)。1926年生まれで,享年92歳。2004年に死去したニコライ・ギャウロフより3歳上だった。
 私の「見たオペラリスト」(→本拠地)のいちばん最初はバイエルン州立歌劇場の1974年の初来日公演だが,そのときの名歌手勢そろい踏みの『ワルキューレ』(→参照)でヴォータンを歌ったのがテオ・アダムだった。当時48歳だったことになる。
 以後,伯爵(フィガロの結婚),ジュリオ・チェーザレ(ヘンデル),ザラストロ,オランダ人,マルケ王,ドン・アルフォンソの計7つの役を,ベルリン国立歌劇場(当時東ベルリン),ウィーン国立歌劇場,バイエルン州立歌劇場の来日公演で見た。すべて30年以上前のことになってしまったが,1986年のマルケ王のときの別格の存在感は印象的だった。
 1988年のバイエルン州立歌劇場公演で,テオ・アダムは『コジ・ファン・トゥッテ』のアルフォンソを歌った。これが結果的に,実演を聞いた最後の公演ということになった。
 このときの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』は,当時毎年ミュンヘン音楽祭の最終日を飾っていた超豪華キャストによる祝祭的上演の再現で,ハンス・ザックスは全4回ともベルント・ヴァイクルの予定だった。しかし,実際には最終回の横浜公演のみ,急遽テオ・アダムがザックスを歌ったことを,後になって知った。

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Dec 20, 2018

新国立劇場の今シーズン/初冬だより

 新国立劇場のオペラは,10月,大野和士氏が音楽監督になって最初のシーズンを迎えた。といっても,オペラの計画を決めるには長い時間がかかるから,前にも書いたけれど,4年間の任期の内容はすでに固まっていて,その次の4年間の仕込みがもう始まっているのだろうと思う。
 シーズン開幕は,新制作の『魔笛』。ウィリアム・ケントリッジ演出で,ブリュッセルのモネ劇場での上演をリニューアルして移植したもの。主にプロジェクター投影による舞台装置がほぼ白黒なのに対し,歌手は比較的伝統的なカラフルな衣装で,よくわからないところもあったが,音楽の邪魔はしないので楽しめる舞台だった。
 『魔笛』の後は,再演の『カルメン』『ファルスタッフ』が続いた。鵜野仁演出の『カルメン』は5回目,ジョナサン・ミラー演出の『ファルスタッフ』は4回目の上演で,指揮者・歌手はその都度変わるが,もはや手の内に入った安定した舞台だった。特に『ファルスタッフ』の光あふれる美しい舞台は貴重な財産である。
 来年は,1月下旬,『タンホイザー』で始まる。

 12月初め,神保町の錦華公園脇のビルの壁が,紅葉した大きな葉に覆われていた。ヤツデのような手のひら形で幅は10~14cmぐらいあるが,ヤツデは常緑だし,ヤツデより少ない3つぐらいの「指」に分かれている。ネットでみた紅葉の画像では,橄欖槭(カンランセキ)という中国種の樹の葉がいちばん似ているが,さてどうなのだろう。  (Click to enlarge→)
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 12月16日の東京の最低気温はかろうじてプラスの0.4度,最高気温は5.8度で,今シーズン最低になった。12月4日には最高気温が23.4度,翌5日にも20.2度を記録していたから,10日余りで20度の急下降である。
 で,冬の守護聖人,聖ヒートテックにお出ましいただいた。

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Aug 05, 2018

終わりと始まり――猛暑の夏

 新国立劇場のオペラは,7月の『トスカ』で2017-18シーズンが終わった。
 『トスカ』は,故アントネッロ・マダウ=ディアツ演出で,2000年9月のプレミエ以来,今回が5回目の上演。何度見ても圧倒される豪華で美しい舞台で,成熟した歌と演奏が堪能できた。前回の2015年のときは,トスカ役が第2幕から交代するという事件があった(→参照)。
 オペラ芸術監督の飯森泰次郎氏は8月末で任期を終え,9月から大野和士氏が就任する。といっても,オペラの予定は公演の3年前には決まっているらしいから,4年間の任期中の上演予定はもうほぼ固まって,こんどはその実施に向かって突き進むのだろう。
 なお,バレエの次期芸術監督(2020年9月から4年間)には吉田都氏が就任するとのこと。

 8月1日に孫(長女の第1子)が生まれた。母子ともに元気でほっとした。孫は昨年2月に続いて2人目で,前回(→参照)と対照的に真夏の誕生になった。

 昨日8月4日,サッポロライオンのチェーン店では「ビヤホールの日」で,生ビールがすべて半額だった。毎年案内のメールをもらっていたが,今年初めて半額ビールを享受した。

 今日8月5日,甲子園の高校野球第100回大会が,松井秀喜の始球式で開幕した。例年にもましてあつい戦いとなりそう。

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Jul 11, 2018

怪獣たち/大水害/短信5:あと3試合

 西日本の広域大水害は「平成最悪」の事態となった。しかしほかにも,先週から今週にかけて,オウム事件関係7名の死刑執行,タイの洞窟での13名遭難と救出,大口病院事件で元看護師逮捕,大谷が代打で決勝大ホームラン,小田急のロマンスカーLSE 7000形の最終運行など,次々といろいろなことがあった。6月の話題の中心だった紀州のドン・ファンはどこかへ行ってしまった。
 加藤剛に続き,今日7月11日に新聞には作曲家オリバー・ナッセン(Oliver Knussen)の訃報が載った。有名な絵本『かいじゅうたちのいるところ』(原題 Where the Wild Things Are 日本語版は冨山房刊)によるオペラを作曲した人として名前を知ったが,享年66歳で,私より若いのだった。

 このたびの水害では,広島県呉市も被害を受けた。
 呉には10年以上前に一度行ったことがある。呉は,私の郷里の横須賀と同じく旧海軍の鎮守府と工廠の町だったので,地形的条件も似ているだろうと予測していたところ,呉線の車窓から見る風景は実際に横須賀とよく似た雰囲気だった。(記録は →参照
 水害のニュースで,被災地として呉市安浦町という地名が出てきたので,テレビの前で「あ」と声を出してしまった。平凡な文字だから同じ名があっても不思議はないが,横須賀にも安浦という地名があるのである。横須賀の安浦は,旧安田財閥の祖・安田善次郎が埋め立てたことによる命名なので,自然地名ではないが。
 オールスター前最後のカード,広島―阪神 3連戦(9日から,広島球場)は中止になった。やむを得ないとは思うが,広島の試合はこれまでに雨ですでに7つ中止になっているので,9月がたいへんな日程になりそうだ。
 高校野球の広島県予選は,7日の予定だった開幕が17日に延期になった。

 この間,FIFAワールドカップは決勝トーナメントが進み,南米のチームはすべて敗退して,準決勝に進んだのはフランス,ベルギー,クロアチア,イングランドのヨーロッパ勢のみとなった。準決勝ではまず,ベルギーがフランスに敗れた。日本がベルギーと戦ったのは9日前のことだったが,もはや遠い過去となった。
 残りは準決勝もう1試合と決勝,3位決定戦の3試合。

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Apr 09, 2018

April Show オータニとアイーダ

 大谷翔平がすごい。今朝(4月9日)は,途中からだが,生中継で快投を見た。It's Sho Time!
 1週間で,投手としては2試合13イニング投げて,奪三振18,被安打4,与四球2,失点3,防御率 2.08,打者としては指名打者で3試合に出て,6安打,3本塁打,7打点,打率 .461。けっこうやるだろうだろうと思っていたが,日本ハムでの2017年は出場が少なくていまひとつだったこともあり,大リーグで最初からこれほど活躍するとは思わなかった。
 もちろん,相手も大谷の投球・打撃に慣れてくるだろうからずっとこのペースで行けるわけはないが,いろいろな状況に騒がずあせらず対処するのに十分な度胸も身についてきているようで,頼もしい。

 もうひとつ速報。昨日(4月8日),新国立劇場の『アイーダ』を見た。今回は堂々の7回公演で,昨日はその2回目。
 20年前のオープニング時に制作された壮大なゼッフィレッリ演出の上演は今回が5回目だが,私はプレミエは買う努力をせずにパス,2回目は申し込みはがきを上着のポケットに入れたまま投函するのを忘れてしまって見られなかったので,見るのは2008年,2013年に続いて3回目だった。
 今回の歌手(韓国出身のアイーダ,ウズベキスタン出身のラダメス,ロシア出身のアムネリス)の特徴は,いずれも声が非常に大きいこと。しかも,十分美しい声で,トゥッティの強奏の上をどんどん越えてくる。これに妻屋秀和さんのランフィスも立派に対抗していた(温和な丸顔がちょっといかめしくないけれど)。
 カーテンコールでは,指揮者が,オーケストラのオーボエ奏者(第3幕の美しいオブリガートを吹いた)を立たせたのがちょっと珍しい場面だった。
 もうひとつ珍しかったのは,帰りの出口で,協賛会社から缶ビールが配られたこと。好まないビールだったが,もらえるものはありがたくいただいた。
 (『アイーダ』第3幕については →参照

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