ことば

Aug 14, 2018

タイは破られた――8.12の記録

 8月12日(日)は夏の大スポーツデーだった。
 まずは高校野球第100回大会の星陵(石川)―済美(愛媛)戦。済美が 1-7 から8点入れて逆転しただけでもすごいドラマだが,星陵も9回表に2点入れて9-9。延長10回,11回は両チーム無得点で,13回からは今大会2試合めのタイブレーク(無死1,2塁から始める)に突入した。13回表に星陵が2点を入れ,これで決まりかと思ったら,その裏の済美は逆転サヨナラ満塁ホームラン。まさに漫画のような結末となった。
 タイブレークは今年から高校野球に導入されたが,春のセンバツでは実施はなく,今大会では2回目のタイブレーク突入だった。今大会の初めてのタイブレークは,6日の佐久長聖(長野)―旭川大高(北北海道)戦で,13回は両軍無得点,14回表に佐久が1点入れ,裏をゼロに抑えて決着した。なるほど,タイブレークだからといってすぐ点が入るとは限らないわけだと思った。
 今大会の地方予選では35試合で実施されたという。全3700余の試合の中の1%弱ということになる。これに対し,甲子園では12日までの30試合の中で2試合実施だから,かなりの実施率ともいえる。
 タイブレークの導入については異論も多かった。しかし,済美の山口投手は前の試合も完投し,この試合では184球も投げている。もしタイブレークなしでこのまま投げ,引分け再試合でまた投げてということになっていたら,などという恐ろしい事態を考えれば,導入の意味は明らかだ。
 なお,タイブレークでの満塁ホームランは,当然のことながら,打者の打点は4,投手の自責点は2とカウントされる。

 同じ12日,ソフトボール世界選手権でも,決勝で「タイブレーカー」があり,日本は米国にサヨナラ負けをした。上野由岐子投手は1日で2試合を中3時間半で完投した。昔国鉄スワローズでダブルヘッダーの両試合にしばしば投げたカネやん(金田正一)を思い出す。
 ソフトボールでは名称はタイブレーカー。テニスなども含め,英語では -er あり・なし両方が使われるようだが,英語の制度名としては tie breaker の方がしっくりするような気がする。
 ソフトボールでは1987年から採用されているというから,野球にとっては大先輩になる。ソフトでは通常の7回まで終わって同点の場合,8回からは無死2塁(ランナーは直前の打者)で始める。

 この日ほかにも,ヤクルトの石川雅規が7回までパーフェクト,巨人がマツダスタジアムで1年ぶりの勝利,パンパシフィック選手権水泳で大橋悠依200mと400m個人メドレーで金メダル,本田圭佑がカンボジアの事実上の代表監督就任など,山のようにスポーツニュースがあった。
 それなのに,翌13日は新聞休刊日。火曜のスポーツ紙で日曜のニュースを見るか。

◆追記
 14日(火)のスポニチでは,「12日のスポーツ」という1ページに,高校野球もプロ野球も水泳も押し込まれていた。

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Mar 28, 2018

証人喚問 1976

 1976年夏のこと,社員旅行で泊まったホテルの一室で,同僚のS氏に対する「証人喚問」が行われた。「Sさん,あなたが○○営業所の△△さん(女性)と××駅付近を歩いているところを複数の社員が目撃していますが,どこへ行ったのですか」「△△さんと初めて親しく話をしたのはどういう状況でしたか」「○○へは仕事以外で何回行きましたか」といった具合である。
 これに対してS氏は「記憶にございません」を連発したが,その1か月後に,S氏が遠距離恋愛(という言い方は当時はなかったが)を実らせて△△さんと婚約というニュースが社内に流れた。
 国会での証人喚問というものが初めて一般に知られるようになったのは,1976年,ロッキード事件に関して,小佐野賢治氏(国際興業社主)らに対する喚問が行われたときだった。テレビ中継も行われ,なにかというと「記憶にございません」というのが決まり文句になった。

 30年がかりで続いていた小田急の代々木上原―向ヶ丘遊園の複々線化が完成して3月3日に開通し,17日から新しいダイヤになった。駅の地下化は2013年に完成していたが(→参照),ようやく線路が開通したわけである。
 下北沢駅の様子を見に行ったのは20日。ここは小田急と井の頭線線路が斜めに交差し,その間の駅前の道が複雑で,すぐに方向がわからなくなる。駅舎とその周辺の工事はまだ続いていて,近く南口が廃止されるという掲示が出ていた。

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Feb 27, 2018

白内障補遺/平昌補遺

 2015年春に白内障の手術をしたあと,目は快調だったのだが,去年の秋ぐらいから右目がちょっとにじんだような感じになってきて,視力が少し落ちた。11月の運転免許更新のときの視力検査は合格だったが,右目の視力にはあまり余裕がなかった。
 1月の眼科の定期健診のときに見てもらったら,「後発性白内障」だという。手術で水晶体はなくなっているので白内障が再発することはないが,水晶体の入っていた囊(袋)は残っていて(中に眼内レンズが入っている),そこにしわが寄ったり他の細胞が付着したりして見えにくくなっているのだとのこと。短時間のレーザー手術で治るというので,すぐ予約した。
 で,2月上旬の某日,レーザー手術。いろいろ検査や準備があって待たされたが,点眼で麻酔して,手術自体はレーザー6,7発,正味1分ほどであっけなく終わった。
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 平昌オリンピック,女子スピードスケート500mで金メダルの小平奈緒が,オランダのテレビ局のインタビューを受けて,オランダ語で立派に答えていた。これも快挙。SNSにもオランダ語で投稿していたとのこと。
 ネット情報によると,オランダ語をもっともよく話す日本のスポーツ選手は,かつてサッカーのフェイエノールトに在籍した小野伸二だそうだ。――関係ないけど,伸二という名前を見るとウクレレ漫談の牧伸二を思い出してしまう。

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Feb 26, 2018

比喩的用法の頻度/朝食短信

 「まっぱだか」「すっぱだか」「まるはだか」はほぼ同じ意味だが,用法としては違う点がひとつある。それは比喩的に使う頻度である。すなわち,「まっぱだか」は文字通りに人が裸になる場合にしか使わないし,「すっぱだか」は多くの国語辞典には「財産などをすっかり失った状態」といった比喩的な意味も載っているが,私の感覚ではこれは普通ではない。これに対し,「まるはだか」は逆で,比喩的に使う頻度が圧倒的に高い。
 こうした類義語のグループはいろいろあると思うが,探そうと思うとなかなか思いつかない。そんな中でちょっとおもしろいのは,「あしあと」と「そくせき」である。漢字で書くと「足跡」で同じだが,「あしあと」と読むと,比喩的にも使うけれど,人・動物が歩いたあとに残る足・履物の形という具体的な意味になることがずっと多いのに対し,「そくせき」はほとんど常に比喩的な意味で使われる。

 いつのころからか,「まっぱ」「すっぱ」という短縮語を聞くようになった。私の感覚では7,8年前ぐらいからのような気がするが,実際にはもっと前からなのだろう。ちょっと似た短縮語でもっとよく使われるものに「やりっぱ」「おきっぱ」など,「っぱなし」由来の語がある。

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 立春を過ぎて2月の10日前後だったが,スーパーに新タマネギが登場した。厳寒の中でも春が遠くないことを感じさせる。新タマネギは水にさらす必要がないので,朝食の手間がひとつ省けるのもありがたい。
 同じくスーパーで,紙の箱に入った「コーン&ベジタブル」というが売られているのを見つけた。ゆでたコーン,グリーンピースと,細かい賽の目に切ったニンジンの組み合わせで,昔からあるミックス・ベジタブルの常温版である。これも朝のサラダに便利だ。
 もうひとつ,このところ朝食に「スプレッタブル」というのを愛用している。要するにチーズを練り込んだバターで,冷蔵庫でも固くならず,すぐパンに塗れる。チューブ入りバター(カロリー30%)を前から使っているが,それに取って代わろうとしている。(→参照

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Feb 20, 2018

冬の短信

 ブログの更新ができないまま,10日以上たってしまった。以下,いくつかまとめて,短く記す。

 横浜美術館で,「石内都 肌理(きめ)と写真」という写真展を見た。作者は1947年に桐生で生まれた女性写真家。私の郷里・横須賀で育ち,デビュー作も横須賀の古いアパートなどをモノクロで写し,粗い粒子でプリントしたものだった(その連作「絶唱・横須賀ストーリー」は同館内の常設展として展示されている)。今回のテーマのひとつはこうした廃屋であり,もうひとつは作者の母や広島の被爆者の遺品の衣類である。「社会派」的な訴える力と同時に不思議な明るさもあって,ひとつひとつ立ち止まってしまった。同展は3/4まで。
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 同じく横浜のもっと南,根岸線本郷台駅からすぐの県立地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)で,「天野尚写真展 未来へ残すべき美しい自然」展(→参照)を見た。こちらは,上と対照的に,最大8×20インチの特大フィルムを使った超高精細のカラー風景写真で,美しさも迫力も満点。3/25まで,入場無料。
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 神保町で,昨年秋には担々麺の店が2つできた(→参照)が,今年は海鮮丼の店が2つできた。ひとつはマクドナルドから錦華通りに入って間もなくの左側「杉玉」,海鮮居酒屋で昼は海鮮丼ランチを出す。もうひとつは,マクドナルドから靖国通りを渡ったところ,ラーメン屋だった場所にできた「<海鮮丼>きときと」。チェーン店のような感じだが,店長・店員はかなり年配の人だった。
 いま大学入試の季節で,先週は地下鉄神保町駅の出口前に明治大学への案内の人が立っていた。
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 平昌の冬季オリンピックで,日本のメダル第1号となったモーグルの原大智の名前にかなが振ってあるのをみて,一瞬「はらたいら」かと思ってしまった。
 ハーフパイプで金メダルのショーン・ホワイトの名ショーン(Shaun)はアイルランド系の名で,John(ヨハネ)に相当する。ショーンといえば思い出す俳優ショーン・コネリーも同じ名だが,綴りはSeanである。

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Feb 08, 2018

戊戌の年

 今年は「戊戌」の年である。毎年,年賀状に「2018年(戊戌)1月」といった具合に干支を書いているのだが,年賀状を作るときは,表を参照してコピーするだけで,あまり音を意識しない。しかし,正月になってだいぶたってから,この漢字は「ぼじゅつ」と読むのだということに気づいた。
 「戊戌(ほじゅつ)」といえば思い出されるのは2つ,世界史では日清戦争後の清の改革派弾圧事件「戊戌の政変」,日本史では高野長英が幕府の外交を批判した著作「戊戌夢物語」である。調べてみたら,戊戌の政変は1898年だから120年前,戊戌夢物語は1838年で180年前で,共に確かに戊戌の年のことだった。
   (干支については →参照
 
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 東京では1月22日-23日に雪が降ったが,その後の寒さが尋常でないために,2週間以上たった今も,場所によってはまだ雪が残っている。

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Jan 27, 2018

マイナス4度

 25日朝の東京の最低気温マイナス4度には驚いた。いつもプラス4度を切ると寒い朝という感覚だが,このときは前日の夜,すでにマイナスになっていた。
 下は東京新聞の紙面。見出しの少し斜字体にした「-4°C」という文字は,ブライダルショップ 4°C のロゴを意識したものだろう。しゃれたいたずら。4domidashi
 
 
 
 
 今日27日は日帰りで京都へ行く。いつもだと冬の京都は寒いというイメージだが,今週は東京と同じくらいの気温だ。大雪の日でなくてよかったが,新幹線は関ヶ原で遅れが出る可能性がある。

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Jan 09, 2018

共に70歳で――星野仙一とフランス・ギャル

 1月6日の朝は,なんとなく朝のニュースを見ないで過ごし,昼過ぎに会った人から「星野さんが亡くなったわね」と聞いた。「えっ,星野って,あの?」「そう,野球の星野仙一」と確認して,遅ればせながら驚愕。死去は4日,膵臓がんだった。まだ70歳,長嶋よりも王よりも野村よりもずっと若いのに。
 常に「闘将」という称号が冠される星野だが,最初中日の監督のときにはほんとうに泥臭い闘将だったのに対し,楽天の監督のときには,もちろん闘志にあふれていたが,かなりスマートな闘将になったような印象がある。
 2013年に楽天がリーグ優勝したとき星野監督は66歳で,リーグ優勝の最年長監督となった。昔の大監督はかなりの年齢のような感じがしていたが,最後に優勝したとき川上は53歳,三原,水谷はもっと下,野村も62歳(ヤクルト,97年)だった。

 7日,フランス・ギャル(France Gall)が乳がんで死去。若いころしか知らないからまったくぴんとこなかったが(新聞の訃報の写真も1965年撮影だった),奇しくも星野と同じ70歳だった。
 このブログでは10年前にシルヴィ・バルタン来日の話題のついでに書いたように(→参照),フランス・ギャルといえば「夢見るシャンソン人形」。フランス語の歌詞で,-son,および -waa という音の語尾が韻を踏んでいるのが,高校生の耳にも甘美に響いた。日本語版(岩谷時子によるらしい)でも,-waa の部分は「…わ」と訳していた。

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Jan 05, 2018

旧臘短信

◇3か国
 12月某日,テレビのニュースで,「3か国の半分の6か国が…」という言葉が聞こえてきて,あれ,6か国と3か国が逆じゃないのと思った。画面を見たら,「3か国」ではなく「参加国」だった。

◇まともな英語
 関連のニュースで,河野太郎外相が,国連安全保障理事会で英語で議長をしている姿が映った。英語の発音がかなりまともだなと思ったら,ワシントンD.C.のジョージタウン大学を出たとこのこと。

◇横須賀ヒストリー
 NHKテレビの「ファミリー・ヒストリー」の桂歌丸の巻を見ていたら,歌丸の祖母は三重県生まれだが,若いころ私の故郷・横須賀にいたという話が出てきた。柏木田遊郭で働いて遊郭の「運営」を学び,後に横浜で自分で遊郭を開いたという。
 柏木田は今の上町(うわまち)3丁目の一部で,駅は京急の県立大学前が近い。戦前は横須賀随一の色街で,客には海軍関係者が多かった。

◇サンタが迷子
 クリスマス・イブにデパートを通りかかったら,「白いズボンにサンタクロースの上着と帽子をお召しの6歳の男の子を,お母さまが探していらっしゃいます。お気づきの方は…」というアナウンスが聞こえてきた。

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Dec 24, 2017

今秋以降に読んだ本の中から

 まず,飯間浩明『小説の言葉尻をとらえてみた』(光文社新書)では,国語辞典編纂者が,現代日本語の用例を求めて小説の中の世界に入っていく。対象になるのは,1960年以降生まれの作者による,2004年以降に発表された小説15編。
 新語やいかにも若者言葉といったものも出てくるが,それよりも「さっきの今」「売るほどある」「見物しいの,拝みいの」といったフレーズや「刹那」の副詞用法(単独で「その刹那に」の意味で使う)など,人の目で見ないと採集が難しそうなものがおもしろい。新しい言葉とされるが実は昔からある言い方だったり,方言の断片だったり,その姿は多彩である。先日書いた「綺羅星」のことも出てきた(→参照)。

 読売日本交響楽団編『オーケストラ解体新書』(中央公論新社)は,プロのオーケストラの活動はどのようにして進められていくのかを,事務局が中心になってまとめたもの。指揮者や楽団員の発言はいろいろな形で伝わってくるが,事務局,特に制作部,ライブラリアン,ステージマネージャー,楽器運搬など,裏方のプロ集団の仕事がこれだけまとめて紹介されたのは希有のことだ。

 もうひとつ読売がらみで,読売新聞文化部『唱歌・童謡ものがたり』(岩波現代文庫)は,90年代に読売新聞に連載されたものが,1999年になぜか岩波書店から単行本で出たのが元版である。2013年に岩波現代文庫になってからも版を重ねているロングセラー。
 連載は大部分20年以上前なので,取材を受けている人々(おもに作詞者・作曲者)には今は故人となっているであろう人も多く,貴重な証言ばかりである。それぞれの歌に物語があり,それぞれ目頭が熱くなる。先日書いた「真白き富士の根」もとりあげられている(→参照)。

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 少し前にNHKのTVで,阿久悠を回顧するコンサートに岩崎宏美が出て「思秋期」を歌っていた。だいぶ顔がふっくらして,かわいいおばさまになっていた。

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