『スウィング!』での遭遇
オペラは夏枯れの旧盆のある日,ブロードウェイ・ミュージカル『スウィング!』(31日まで上演;→参照)を見に行った。ミュージカルといっても,物語がはっきりあるわけではなく,スウィング・ジャズの名曲を集めて踊りをつけたもので,ミュージカル・ショウとでもいうべきものである。
かなりビッグバンド風の音を出す8人編成のバンドがステージ奥に座り,かつて子守歌のように聞いていた「シングシングシング」「キャラバン」「スウィングしなけりゃ意味ないね」など,なつかしいスウィングの曲を休みなく演奏する。その前で,20名ほどのダンサーが,これまた休みなくダイナミックな踊りを繰り広げるのは,夏の一夜のまことに上質のエンターテインメントだった。
見たところ,客の年齢層は通常のミュージカルよりずっと高く,オペラ並みだった。
終わって,会場を出たところで,確かに顔を知っているおばさんからあいさつされた。えーと誰だっけ――そうだ,前に住んでいたところでビールの配達をしてくれていた酒屋のおばさんだ。酒屋さんだからバーボンやジンもあるが,日本酒を非常に多く取りそろえている店ということもあり,およそミュージカルとは結びつかない。「意外な文脈」での遭遇だった。


Comments