パート譜からスコア――ホルストの第1組曲
オーケストラ曲のスコアからパート譜を作るというのは,かつては比較的よく行われる作業だった。パート譜が出版されていない曲の場合は当然だが,大作曲家の作品でも,少しマイナーな曲になると,パート譜が手に入らないことは珍しくなかったからである。しかし,パート譜からスコアを作るという作業をしたことがある人はそう多くないだろう。
高校2年のとき,吹奏楽の聖典,ホルストの「吹奏楽のための組曲第1番」に挑戦することになった。買ってきた Boosey 社の楽譜は,演奏用だからパート譜はもちろんちゃんとしているが,指揮者用としてはピアノスコアがセットに入っているだけだった。当時,吹奏楽の譜面というのはピアノスコアしかないのが普通で,フルスコアというのはほとんど存在しなかったが,ホルストのこの古典的名曲でさえ例外ではなかったのである。
しかし,さすがにこの曲をフルスコアなしで練習するのは無理だということで,夏休みに,パート譜からフルスコアを作る作業をしたのである。五線紙の段数の都合もあって,そのころ部になかったファゴットやバリトン・サックスは省略したから,完全なフルスコアではないが,写譜用の万年筆を買ってきて,エアコンなどない部屋で正味二十数日かかった。
先日,吹奏楽の雑誌『バンドジャーナル』の8月号に,ホルストの「組曲第1番」の自筆譜に基づく校訂譜がついていると聞いて(→参照),本屋に走った。8月号は第1曲「シャコンヌ」で,以後,第2曲は10月号,第3曲は12月号と続くという。自筆譜が大英図書館に寄贈されたのは1970年というから,上記の私のスコア作成より後だったことになる。四十数年ぶりで,この思い出の曲の本物のスコアが手に入った。


Comments
パート譜作りは大学時代に経験あります。
みんなで一生懸命作ったのに、所詮、合唱人
の作ったオケ譜、使い物にならず、レンタル
することになりました(^_^;
ハルモニー•ミサだったかな。。。。
Posted by: リンデ | Aug 10, 2010 07:23 PM