国内版のスコア
前世紀の終わりごろからだと思うが,管弦楽曲の国内版小型スコア(総譜)のラインナップが非常に充実してきた。かつては,20世紀まで生きていた作曲家の作品などは,高い輸入版しかなくて指をくわえて見ているほかはなかったのだが,状況は大きく変わり,たまに楽譜売り場へ行くと,あ,こんな曲も(国内版が)出ていたのかと驚く。
音楽之友社,全音楽譜,日本楽譜出版社の3社が競い合っているというのも重要な要素だ。音友はたとえば,シベリウス「交響曲第3番」,バルトーク「弦チェレ」,R.シュトラウス「メタモルフォーゼン」に加えて,ラヴェル,ブルックナー(ノヴァーク版)などを多く出している。
全音はハチャトゥリアン,プロコフィエフ,ショスタコーヴィチが充実しているし,ブラームス=シェーンベルク編「ピアノ四重奏曲第1番」もあり,さらにオイレンブルクとの提携によるものも多い。
日本楽譜の目録を見ると,バルトーク「2台のピアノと打楽器のための協奏曲」,ベルク「ヴァイオリン協奏曲」,ヒンデミット「画家マティス」,コダーイ「ガランタ舞曲」,バッハ=ウェーベルン「6声のリチェルカーレ」などが並ぶ一方で,「軽騎兵序曲」「グリーンスリーブズによる幻想曲」「『聖母の宝石』間奏曲」などポピュラー小品もいろいろある。
ありがたい世の中になったものだ。
(→参照)


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