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November 2024

Nov 28, 2024

新国立劇場『ウィリアム・テル』――セリア,夜明け

 新国立劇場オペラの2024-25シーズンは,10月のベッリーニ『夢遊病の女』(新制作)で始まり,続いて11月には,同じく新制作のロッシーニ『ウィリアム・テル』が上演された。
 『ウィリアム・テル』(フランス語なので本当は『ギヨーム・テル』)は,日本初の原語による舞台全曲上演で,11月23日に見た(5回公演の2回目)。プログラム冊子の中の解説によると,初演(1829年,パリ)のときからすでに長すぎることが問題になったという。今回も少しカットがあるが,それでも演奏時間は正味3時間35分の堂々たるオペラ・セリアである。
 ロッシーニのオペラは,私の「見たオペラ」データによると,これまでに18回見ているが,ブッフォでないのは『ランスへの旅』と『どろぼうかささぎ』の各1回のみ。このうち『ランスへの旅』は物語がほとんどないようなオペラでセリアとは言えないだろうし,『どろぼうかささぎ』は「セミ・セリア」に分類されるものだという(→参照)。『オテロ』『セミラーミデ』は見たことがないので,ロッシーニのちゃんとしたオペラ・セリアを見るのは,オペラ歴50年にして今回が初めてということになる。
 舞台は抽象的な装置,衣裳は現代風とまでは言えないがかなり新しい感じ。合唱がほとんど出ずっぱりで大活躍,バレエもおもしろかった。タイトルロールはギヨーム(バスまたはバリトン)だが,それほど1人で舞台を引っ張るわけではなく,アルノルド・メルクタール(テノール)も対等の活躍をする。今回はこの2役の歌手が,背格好や顔の形が似ていて,しかも共にひげを生やしていて,一瞬間違えそうになることがあった。この2人とマティルドが海外組(なお,アルノルドとマティルドのカップルはシラーの原作にないオペラ独自の役)。悪代官ジェスレル(妻屋秀和),ギヨームの息子ジェミ(安井陽子)も立派。ほとんど長大さを意識せずに見続けた。
 昔からおなじみの序曲は,オペラの序曲としてはけっこう長く,4部構成で変化に富んでいる。最初の「夜明け」の部分はチェロの5重奏(プラスコントラバス,ティンパニ)だが,かつて普通の劇場のオーケストラではチェロが5人もいるところはあまりなかったに違いない。初演がパリ・オペラ座だったからということか。

 上記の公演に出かけた11月23日の新聞の片隅に,バリトンの牧野正人氏の訃報が載った。17日死去,67歳。1990年代の藤原オペラを中心に5回ほど聴いたことがあり,非常に上品な声だったという記憶がかすかにある。同年配かと思っていたのだが,実はだいぶ年下であることに驚いた。
 新国立劇場のプログラムにある資料によると,『ウィリアム・テル』の2010年のニコライ・ゼッダ指揮東フィルの演奏会形式ハイライト上演で,牧野氏はギヨームを歌ったとのこと。

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Nov 22, 2024

先行発表,訃報,モデルナ――続・十一月中旬日乗

 新国立劇場から,『The Atre』12月号同封で,次シーズン(2025/9-2026/8)の新制作2演目先行発表のちらしが届いた。
 『ヴォツェック』2025/11,『エレクトラ』2026/6-7 の2つで,指揮はいずれも大野和士(音楽監督)。webサイトにも同内容が掲出されている。

 新聞の第1面に相次いで訃報が載った。
・谷川(たにかわ)俊太郎 詩人 11月13日 92歳
・北の富士(竹沢)勝昭 元横綱 11月12日(公表は11月20日) 82歳

 大相撲九州場所は,大関の琴櫻,豊昇龍が2敗で並んでいる(隆の勝は3敗)。琴櫻の初優勝はなるか。
 大相撲のサイトに毎日出る取組表には,各勝負にかかった懸賞のリストが載っているが,先場所まで出ていた「メッセンジャーRNAのモデルナ」の名が,今場所は消えているのに気づいた。モデルナが最初に懸賞を出したのは,たぶん2022年の五月場所だった(→参照)。コロナが一区切りして,もはや宣伝する意味がなくなったか。

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Nov 19, 2024

18/78,羽布団,ランチョン,背広姿――十一月中旬日乗

 某休日,故郷の町で小学校の同期会。今年度中に後期高齢者になる卒業生78名のうち18名出席というのは,まあ立派と言ってよいだろう。まったく変わって,名前を聞いてもわからない人もいれば,繁華街でばったり出会ってもわかるのではないかと思うくらい変わっていない女性もいた。

 翌日,クリーニングに出して夏の間保管してもらっていた羽布団が返って来た。これまで暖かい秋だったが,ようやく寒くなるというので良いタイミング。

 某平日昼,会社のOB・OGの集まり。神保町の老舗ビアレストラン「ランチョン」に65~80代の12名が集合した。せっかくのランチョンなのに,みなおとなしくてビールを1杯しか飲まなかった。まったく昔と変わっていないのは,最高齢88歳の某氏。

 大相撲九州場所が進行中の某日,NHKテレビの解説に,引退したばかりの貴景勝が登場した。背広にネクタイの姿はもちろん初めてで,まだとってつけたよう。
 10日目を終えて,大関の琴櫻と豊昇龍,平幕の隆の勝が1敗。先場所で12勝した関脇・霧島は6敗と苦しんでいる。

【追記】上記同期会の卒業・出席人数を11月22日に訂正しました。

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Nov 12, 2024

秋から冬へ――シーズン終了,啓発セット

 例年と同じ10月中旬,某繁華街の居酒屋Fで鍋料理の提供が始まった。しかし今年の10月はまだ夏のような日が多く,半袖で鍋を食べる人の姿が見られるという珍しい事態となった。
 その後も平均気温は高めだが,日が短くなって,さすがに秋の気候になり,大リーグと日本のプロ野球のシーズンが終わった。去年は大谷翔平のシーズンは実質的に8月で終わってひじの手術となったが,今年はワールド・シリーズに出場したので,10月末までたっぷり7か月以上楽しむことができた。4か月半の冬休みを経て,来年の大リーグは,東京でのドジャース対カブスの試合で開幕する。
 大相撲は,10日,九州場所の初日を迎えた。照ノ富士はまた休場だが,新大関の大の里は初日から3日目まで連勝した。

 米国の大統領選挙は,予想より差がついて,トランプが当選した。地球温暖化もコロナ渦も認めない78歳――悪夢の再来。この年になって,自分より年上の大統領が3期も続くとは思わなかった。

 先週,区から茶色の袋で郵便が届いた。名称は「在宅避難啓発セット」で,中身は携帯トイレ4個,水または湯を注ぐとおにぎりができる「アルファ化米」2個分というおもしろい組み合わせだった。

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【業務連絡】
 ブログ運営会社から促されて,「HTTPS配信設定」をしました。表示が素早くなったように思いますが,いかがでしょうか。

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Nov 06, 2024

選挙の日,サクソフォンの日

 米国では11月5日は「選挙の日 (election day)」で,今年は大統領選挙が行われた。
 election day は「偶数年(西暦)の11月の第1月曜の翌日の火曜日」であり,連邦下院議員の半数と上院議員の3分の1の選挙が行われるが,西暦年が4で割り切れる年には大統領選挙も行われる。
 大統領選挙といっても,正確には大統領と副大統領の選挙人を選ぶ選挙であり,事実上,民主党・共和党のどちらかの候補のうち得票の多い方が,その州の選挙人すべてを独占する。結果から見れば一種の小選挙区制ということになるが,選挙人の数は州の人口に比例しているので,人口の多い州(最大はカリフォルニア州)を取れば非常に有利になる。
 2016年の選挙では,全体の得票はヒラリー・クリントンはトランプより多かったのに,獲得選挙人の数は及ばなかった。さらに激戦の今回,トランプがまた選挙結果を認めないなどと言って騒ぐ事態になりかねないのが心配。

 中学生のころから長年サクソフォンとかかわっているのに今年初めて知ったのだが,11月6日は「世界サクソフォンの日 (World Saxophone Day)」なのだとのこと。サクソフォンを発明したアドルフ・サックス(Adolphe Sax 1814-84)の誕生日にちなんだもの。今日11月6日は生誕210年の日ということになる。

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