美術

Mar 21, 2024

マティス 自由なフォルム,自由な主催社

 3月中旬某日,国立新美術館で「マティス 自由なフォルム」展を見た。
 国立新美術館へはいつも地下鉄の乃木坂駅から直結の通路経由で行っていたが,今回は乃木坂駅の反対側の出口から地上に出た場所で用事をひとつ済ませてから,美術館へ向かった。地図を見て方向を確かめて行ったのだが,高架になっている道路から目指す方向に降りる道がなくて少しあせった。結局,少し先の大きな道へ降りてだいぶ回り道をして美術館の地上入口にたどり着いた。
 マティスというと華やかな赤の画面をまず思い起こす。それは,前世紀に,初めて大規模なマティス展を笠間日動画廊で見て以来,変わらない。しかし,今回の展示は赤の要素は少なく,切り紙による「ブルー・ヌード」などむしろ青が目立っている。北フランス生まれのマティスは,南フランスに住んでから青に傾斜していく。
 今回の「目玉商品」は,マティスが設計したヴァンスのロザリオ礼拝堂内部の再現。ステンドグラスから差し込む光の変化を,時間を早回しにして見せる。
 充実した展示を見終わって,ミュージアム・ショップに寄ったら,公式カタログよりずっと手軽な「マティス 自由なフォルム 完全ガイドブック」があったので購入。「AERA Art Collection」というシリーズの朝日新聞出版のムックだった。あれ,この展覧会は読売新聞社が主催なのに,なぜ?

 3月20日,米大リーグ開幕の韓国シリーズ第1戦。この日は中継を見られなかったが,大谷はヒット2本,打点1,盗塁1。
 その翌朝,ドジャースが水谷通訳解雇の報。なぜ?

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Mar 11, 2024

春,開幕の季節/キリスト教交流史

 ボッティチェッリの有名な絵のタイトルは Primavera(春)の1語である。描かれているのは春の風景ではなく神話の世界なので,抽象的なタイトルになったのかなと,さっき思った。
 春らしく気候は気まぐれだが,日は確実に伸びて,いま日の出は6時前,日の入りは17時50分に近づいている(東京の場合)。東京の桜の開花予想は今のところ3月19日。
 3月10日,大相撲三月場所が初日を迎えた。新大関琴ノ若は白星発進。
 18日には,センバツ高校野球が始まる。

 プロ野球はいまオープン戦がたけなわだが,開幕は3月29日(金),いずれもナイトゲーム。この季節,夜は特にけっこう寒いことも多いが,今年はどうか。一方,大リーグは20日・21日に韓国でのドジャース―パドレス戦で先行開幕し,全体では28日に開幕を迎える。
 このブログを始めた2004年3月,大リーグの開幕試合ニューヨーク・ヤンキース対タンパベイ・デビルレイズ戦が東京ドームで行われた(→参照)。これが北米以外での公式戦の最初だと思っていたのだが,今調べたところ,その4年前,2000年3月にシカゴ・カブスとニューヨーク・メッツの試合が東京ドームで行われたのが最初だったそうだ

 3月某日,東洋文庫ミュージアム(東京・本駒込)へ足を運び,企画展「キリスト教交流史ー宣教師のみた日本、アジアー」を見た。「文庫」という名のとおり図書館だから展示は書籍が中心。
 イエズス会のフランシスコ・ザビエルが日本にやってきたのは上記「春」が描かれてから約70年後だった。今回ほとんど初めて知ったのは,日本布教はイエズス会が中心だったが,アジア全体ではフランシスコ会など他の修道会も積極的だったという点。しかも,「羅西日辞典」まで作られているのだった。
  (この企画展は5月12日(日)まで,火曜休)

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Jun 12, 2023

「チラシ・ミュージアム」と「e国宝」/ベルリン・フィルの無料映像

 知人の日本画家に教えられて,美術関係の2つのアプリをスマホに入れてみた。
 ひとつは「チラシ・ミュージアム」。開催中およびこれから開催の展覧会のチラシが並んでいて,クリックすると詳細が示されるというシンプルなもので,もちろん,キーワード,開催日程,地域などによるいろいろな検索が可能。運営はイープラスなので,チケット購入サイトに跳ぶこともできる。
 ふだんは新聞に毎週出る美術展案内を切り抜いているが,これを補ってくれそうだ。
 もうひとつは「e国宝」で,4つの国立博物館(東京,京都,奈良,九州)と奈良文化財研究所が所蔵する国宝・重要文化財の画像・解説(日英中韓)を見ることができる図鑑アプリである。画像は高精細で,拡大すると細かい筆の跡も見えるし,立体の物についてはいろいろな角度からの写真がある。
 そして,私が知るのが遅かっただけなのだが,e国宝にはブラウザ版があり,スマホの小さな画面で見る必要はないのだった(→参照)。
 なお,アプリ名・サイト名は「e国宝」だが,ロゴでは「e國寶」と旧字が使われている。

 5月某日朝,ベルリン・フィルの配信サイト「デジタル・コンサートホール」から,ティーレマン指揮の『ローエングリン』第1幕への前奏曲を無料配信するという知らせが,メールで届いた。このサイト,私は登録はしてあるが購入したことはなく,いつも次の配信のお知らせのみ受け取っている。
 で,アクセスしてみたら,演奏会の冒頭で楽員代表がマイクを持って出てきて,「指揮者マリス・ヤンソンス逝去をいたんで,本編プログラムに先立ってこの曲を演奏する」という。あれ,ヤンソンスって,まだ生きてたっけと思って調べたら,2019年11月に死去していて,この演奏はその1週間後のものだった。なぜ今ごろなのかは謎。演奏は,追悼にふさわしくということか,悠然たるテンポ。
 その後メールをよく見たら,無料映像のお知らせが毎週のように届いていた。6月上旬に届いたのは,なんとアルゲリッチ,バレンボイムによるシューマンのピアノ協奏曲。ありがたく拝見した。

◆オータニッキ
6/10土 対SEA 17号2ラン 4の3/投球は5イニング3失点
6/11日 対SEA 18号2ラン


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Apr 29, 2023

八十歳/重要文化財/DNA解析――4月下旬日乗

◆白鸚の『ラマンチャ』,横須賀で最終公演
 松本白鸚(80歳)主演の『ラマンチャの男』が,4月14日から24日まで,わが故郷の横須賀芸術劇場で最終公演を行った。昨年2月に日生劇場で最終公演シリーズを始めたものの,25回のうち7回終えたところでコロナ渦のため中止になった後,1年2か月を経て横須賀で再スタートしたもの。最終日の24日は1324回目の上演だった。
 私がこのミュージカルを青山劇場で見たのは,娘たちが小中学生だったから1990年代の終わりごろだと思う。白鸚はもちろん幸四郎を名乗っていたころで,50代後半だったことになる。
 先日,来年の大統領選挙に出馬宣言したジョー・バイデン氏は白鸚と同い年。こちらはまだ最終公演とはならず。

◆「重要文化財の秘密」展
 東京国立近代美術館で,同館70周年記念展「重要文化財の秘密」展を見た。狩野芳崖「悲母観音」,高橋由一「鮭」,黒田清輝「湖畔」,高村光雲「老猿」,朝倉文夫「墓守」など,写真などではおなじみだが実物は見たことがなかったような作品が,高密度大集合している。4月中旬にかなりの展示替えがあったとのことなので,早く見た人はもう一度みる価値がありそう。3分の2以上は写真撮影可。
 場内には,重要文化財に指定された年を一覧する年表もある。作品に付された解説を見ても,企画者は,重要文化財になった年代と,指定の基準が移り変わっていることに注目させたいということらしい。

◆『人類の起源』を読む
 篠田謙一 著『人類の起源』(中公新書)を(紙の書籍で)読んだ。2022年2月刊だが,同年11月には7版(中央公論新社は一般的な「刷」でなく「版」と表記している)になっていて,よく売れていることがわかる。
 キーワードは今世紀になってから急速に進歩したDNAのゲノム解析で,これにより,ホモ・サピエンスはネアンデルタール人などと約60万年前に分岐したがその後も交雑していたこと,アフリカに生まれたホモ・サピエンスが地球全体に広がっていく足取りがある程度判明してきたことなど,壮大な人類史が息つく暇もなく繰り広げられる。
 狩猟民か農耕民かという「文化」の違いに関連して,その一部が言語のグループの違いに重なる可能性があることなどにも言及があり,元言語学徒としては今後も目が離せない。

◆オータニッキ
◇4/24月 対KC
 エンゼルスのウォード,トラウト,大谷が3者連続のホームラン。この件で,午後のニュース番組で解説者として槙原(元巨人)が登場した。槙原は,1985年阪神のバース,掛布,岡田の3連発のときの投手だったので,まさに「適役」。
◇4/25火 対OAK
 翌日,アスレチックスの同じ2人の打者が,2者連続ホームランを2度打つ(1回と3回)という珍しい記録を作った。
◇4/27木 対OAK
 大谷6号2ラン。
◇4/28金 対OAK
 大谷先発 3回まで完璧だったが,5点とった直後の4回に乱れて5失点。6回投げて被安打3なのに5失点で,防御率は 1.85に急降下。それでもすごいが。
 エンゼルスは5,6回に3点をあげてなんとか逃げ切り,大谷は4勝目。打撃は5打数3安打1打点。

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Oct 18, 2020

8か月ぶりに美術館へ

 劇場に続き,こんどは8か月ぶりに美術館に出かけた。国立西洋美術館の「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」である。当初予定の会期は,東京は3月3日~6月14日だったのだが,開幕が遅れ,6月18日~10月18日となった。
 日時指定(30分きざみ)のチケットをネットで購入したのは10日ほど前のこと。会期末が近くなっているからだろうが,その時点で4,5日後までのチケットは大部分売り切れだった。チケット・サイトは音楽・演劇が基本なので,チケットや申し込みページでの表記は「公演日」「開演時間」などとなっているのがちょっとおもしろい。
 指定の時間に着いてみたら,一応前の人との間隔を空ける印はついていたが,けっこうな密度で人が並んでいた。入ってからも,ぎっしりではないにせよ,かなりの混雑。
 で,内容は,教科書のように14-19世紀の西欧の美術史を俯瞰するバランスのよい展示だった。これは大陸と少し離れたイギリスの「立場」を生かして収集を続けてきた歴史を反映したものなのかもしれない。風景画の部屋には,自国イギリスのゲインズバラ,コンスタブル,ターナーの作品も並んでいて,時代は1世紀ほど違うが,数日前にそのオペラを見たベンジャミン・ブリテンの存在と符合するような気がした。
 フェルメールの初来日作品「ヴァージナルの前に座る女」がオランダ絵画の部屋にさりげなく置かれていた。画面左下のヴィオラ・ダ・ガンバが異彩を放っている。フェルメールの現存する35点(諸説あり)のうち,これまでに来日したのは24点で,これで私は(日本にいながら)そのうち23点を見たことになる(→参照)。(ロンドン・ナショナル・ギャラリーにはもうひとつ,「ヴァージナルの前に立つ女」があるが,これはまだ来日したことがない。)同じ部屋には,ヤン・ステーンのチェンバロを弾く女性の絵もあった。
 今回の展示で珍しかったのは,図録が大小2種類あること。「小」は縮刷版というわけではなく,すべての絵のカラー図版が収録されているが,文字部分の量が違うらしい。さらに,「大」には,図柄の異なる2種類の表紙がある。

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 大リーグは,レギュラーシーズンを終え,ポストシーズンのリーグ優勝決定シリーズで初めて観客を入れた。
 レギュラーシーズンはわずか60試合(通常は160試合)で,同地区内のみの対戦(相手4チーム×10試合+インターリーグ4チーム×5試合)と,日本よりはるかにイレギュラーなシーズンだった。

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May 20, 2019

クリムト,シューベルト,シェーンベルク

 東京ではいま,クリムトを中心とした展覧会が2か所で開催されているが,そのうちのひとつ「ウィーン・モダン クリムト,シーレ 世紀末への道」(国立新美術館)を見てきた。クリムト,エゴン・シーレ,ココシュカが中心だが,タイトルのとおり「そこに至る道」についての展示が充実しているのがミソ。
 音楽家もいろいろ登場していて,シューベルトの有名な肖像もあった。しかし,予備知識なく見てびっくりしたのは,シューベルトの眼鏡(!)が展示されていたことだった。

 ほかにおもしろかったのは,シェーンベルクが描いた3点の絵。うち1枚はアルバン・ベルクの肖像,もう1枚はマーラーの葬儀を描いたものだった。さらに,オーギュスト・ロダンの描いたマーラーの肖像があった。
 クリムトは「エミーリエ・フレーゲの肖像」だけ特別待遇で「個室」に展示され,写真撮影可になっていた。

 同展は東京は8月5日まで。引き続き8月27日からは,国立国際美術館(大阪・中之島)で開催されるとのこと。ただし,クリムト,シーレ等は東京より少なくなるらしい。
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Mar 22, 2019

大阪でもフェルメール

 京都で土曜日の午後に用事ができた。かつては仕事で年に3,4回は関西に行っていたが,引退後の4年間では今回が2回目になる。今回は,前日の金曜に東京を出て,午後は大阪市立美術館の「フェルメール展」に行くことにした。
 今回のフェルメール展は東京ですでに見たが(→参照;→参照),大阪にのみやってくる「恋文」と,東京では会期の後半でのみ展示された「取り持ち女」を主な目的に,大阪展に行ってみた次第。前売り券はネットで買った。東京と違って,日時指定ではなかった。
 前にも大阪でフェルメールを見たことがある。と思って調べたら,19年前の2000年4月に「フェルメールとその時代」展を見たのだった。会場は同じく市立美術館,フェルメールは4点(ほかに真作かどうか疑問のある模写1点)だった。

 地下鉄の天王寺で降り,暖かい日差しのもと公園の芝生でくつろく人々のそばを会場へ歩いた。多少は待つことを覚悟していたが,ほとんど待たずに入れた。
 フェルメールは上記の2点と,「手紙を書く女」「手紙を書く婦人と召使い」「マルタとマリアの家のキリスト」「リュートを調弦する女」の計6点。東京のように一堂に会してはいないで,2点ずつ3つの部屋に分かれていた。青い壁の荘厳な空間ではあるが,初めてみる「取り持ち女」はひときわ俗な題材で,不思議な明るさを見せていた。
 先に書いたように(→参照),フェルメールの真作とされる35点のうち,これまでに23点が来日し,そのうち22点,6割以上を見たことになる。

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 3月9日の阪神競馬で,プッチーニという馬がデビュー戦で勝利したという。なんと白毛の馬だそうだ。あまり速そうな名ではないが,レース運びはうまいのかもしれない。

 

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Dec 13, 2018

フェルメール――30年で20/35

承前
 今回のフェルメール展で,分厚くて重い公式図録とは別に,AERAムック『フェルメール展 公式ガイドブック』というのがあったので買ってみたところ,画家とその作品についての基本的なデータが載っていて,保存するに足る内容だった。
 重要なデータのひとつは,フェルメール作品の来日記録である。来日は1968年に始まり,今回初来日の3点を含めて,全35点中,23点がやってきたという。私は1987年の「西洋の美術展」以降,17回のうち14回の展覧会に行って,全部で20点見たことになるらしい。さらに,今回1月9日から展示される「取り持ち女」(初来日)と大阪でのみ見られる「恋文」を見れば計22点になる。所蔵美術館まで出かけないでこれだけ見られるのは「絵画幸う東京」ならではのことである。
 同時に来日した点数がこれまででもっとも多かったのは,2008年の「フェルメール展」の7点だった。このときのことはこのブログにも,「(7点というのは)空前のことであり,たぶん絶後となろう」と書いたが(→参照),今回(同時には)これを上回る8点で,実際には「絶後」ではなかったことになる。
 上記1987年の「西洋の美術展」は,ゴヤの「巨人」を初めとする大作が目白押しで,フェルメールはやや影が薄かった。しかしその後,2000年に大阪でのみ開かれた「フェルメールとその時代展」あたりを転換点として,フェルメールの「神格化」が進んだような印象がある。

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Nov 29, 2018

フェルメール展――8点結集の奇跡

 某平日,「フェルメール展」へ出かけた。今回は,初来日2点(会期後半に入れ替わりでもう1点来る)を含め,フェルメールの現存作品35点のうちなんと8点(入れ替わりがあるので延べ9点)も同時にやってくるという,空前絶後,史上最強の展示である。
 しかし実際には,展示内容以外に,いろいろユニークな点がある展覧会だった。
 まず,会場が西郷さんにほど近い上野の森美術館であること。このところ東京都美術館が多くて,上野の森は15年ぶりだった。
 次に,チケットが日時指定入場制であること。1日に6つの時間枠(1枠が1時間半,朝と夜は1時間)が設けられ,その枠の時間内に入場する。指定されているのは入場の時間枠であって,その枠内ならいつ入場してもいいし,入ってしまえば中で長居をしてもよい。ウェブサイトには「各時間枠の入場開始直後は入場待ち列ができます。時間枠内後半でのご来場をおすすめします。」とあったので1時間半のうちの1時間近く過ぎたころに行ったら,列がやはり少しできていて,5分ぐらい並んだ。
 今回の展示でもうひとつ初めての経験だったのは,イヤホンガイドが無料だったこと。並んだ先で何かに時間がかかっていると思ったら,ほぼ全員に器械と片耳イヤホンを渡しているのだった。普通の展覧会の500円以上するイヤホンガイドに比べると正味の時間が20分と短いが,全体の点数が多くないのでこれでもまあよい。
 イヤホンガイドの隣では,ハガキサイズの小冊子に印刷された出品目録が配られた。1ページに1点ずつ,作者,タイトル,制作年,画材,サイズ,所蔵者等のデータ(英語併記),そしてハヅキルーペがなくても読めるようにかなり大きな字で簡単な解説が書いてある。絵の脇の壁に書いてあるのは作者とタイトルのみなので(壁に直接どうやって印刷したのか不思議),他のデータと解説は小冊子を見ることになる。なるほど,絵の近くが混雑しないようにという策略か。

 で,フェルメール御大の8点は青い壁の一室に集まっていた。フェルメールをいちばん多く所蔵しているのはニューヨークのメトロポリタン美術館の5点,次がアムステルダム美術館の4点だから,8点が一室というのは普通はありえない光景である。
 初来日は「赤い帽子の娘」「ワイングラス」の2点。(「赤い帽子の娘」は,会期後半に別の初来日作品「取り持ち女」と入れ替わる。)このうち,「赤い帽子の娘」はフェルメールの最も小さい作品であり,逆に最も大きいのは,共に来日している「マルタとマリアの家のキリスト」だという。
 混雑していたが,「聖堂」は荘厳な雰囲気に満たされていた。
    [この項 →続く

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Feb 20, 2018

冬の短信

 ブログの更新ができないまま,10日以上たってしまった。以下,いくつかまとめて,短く記す。

 横浜美術館で,「石内都 肌理(きめ)と写真」という写真展を見た。作者は1947年に桐生で生まれた女性写真家。私の郷里・横須賀で育ち,デビュー作も横須賀の古いアパートなどをモノクロで写し,粗い粒子でプリントしたものだった(その連作「絶唱・横須賀ストーリー」は同館内の常設展として展示されている)。今回のテーマのひとつはこうした廃屋であり,もうひとつは作者の母や広島の被爆者の遺品の衣類である。「社会派」的な訴える力と同時に不思議な明るさもあって,ひとつひとつ立ち止まってしまった。同展は3/4まで。
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 同じく横浜のもっと南,根岸線本郷台駅からすぐの県立地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)で,「天野尚写真展 未来へ残すべき美しい自然」展(→参照)を見た。こちらは,上と対照的に,最大8×20インチの特大フィルムを使った超高精細のカラー風景写真で,美しさも迫力も満点。3/25まで,入場無料。
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 神保町で,昨年秋には担々麺の店が2つできた(→参照)が,今年は海鮮丼の店が2つできた。ひとつはマクドナルドから錦華通りに入って間もなくの左側「杉玉」,海鮮居酒屋で昼は海鮮丼ランチを出す。もうひとつは,マクドナルドから靖国通りを渡ったところ,ラーメン屋だった場所にできた「<海鮮丼>きときと」。チェーン店のような感じだが,店長・店員はかなり年配の人だった。
 いま大学入試の季節で,先週は地下鉄神保町駅の出口前に明治大学への案内の人が立っていた。
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 平昌の冬季オリンピックで,日本のメダル第1号となったモーグルの原大智の名前にかなが振ってあるのをみて,一瞬「はらたいら」かと思ってしまった。
 ハーフパイプで金メダルのショーン・ホワイトの名ショーン(Shaun)はアイルランド系の名で,John(ヨハネ)に相当する。ショーンといえば思い出す俳優ショーン・コネリーも同じ名だが,綴りはSeanである。

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