八十歳/重要文化財/DNA解析――4月下旬日乗
◆白鸚の『ラマンチャ』,横須賀で最終公演
松本白鸚(80歳)主演の『ラマンチャの男』が,4月14日から24日まで,わが故郷の横須賀芸術劇場で最終公演を行った。昨年2月に日生劇場で最終公演シリーズを始めたものの,25回のうち7回終えたところでコロナ渦のため中止になった後,1年2か月を経て横須賀で再スタートしたもの。最終日の24日は1324回目の上演だった。
私がこのミュージカルを青山劇場で見たのは,娘たちが小中学生だったから1990年代の終わりごろだと思う。白鸚はもちろん幸四郎を名乗っていたころで,50代後半だったことになる。
先日,来年の大統領選挙に出馬宣言したジョー・バイデン氏は白鸚と同い年。こちらはまだ最終公演とはならず。
◆「重要文化財の秘密」展
東京国立近代美術館で,同館70周年記念展「重要文化財の秘密」展を見た。狩野芳崖「悲母観音」,高橋由一「鮭」,黒田清輝「湖畔」,高村光雲「老猿」,朝倉文夫「墓守」など,写真などではおなじみだが実物は見たことがなかったような作品が,高密度大集合している。4月中旬にかなりの展示替えがあったとのことなので,早く見た人はもう一度みる価値がありそう。3分の2以上は写真撮影可。
場内には,重要文化財に指定された年を一覧する年表もある。作品に付された解説を見ても,企画者は,重要文化財になった年代と,指定の基準が移り変わっていることに注目させたいということらしい。
◆『人類の起源』を読む
篠田謙一 著『人類の起源』(中公新書)を(紙の書籍で)読んだ。2022年2月刊だが,同年11月には7版(中央公論新社は一般的な「刷」でなく「版」と表記している)になっていて,よく売れていることがわかる。
キーワードは今世紀になってから急速に進歩したDNAのゲノム解析で,これにより,ホモ・サピエンスはネアンデルタール人などと約60万年前に分岐したがその後も交雑していたこと,アフリカに生まれたホモ・サピエンスが地球全体に広がっていく足取りがある程度判明してきたことなど,壮大な人類史が息つく暇もなく繰り広げられる。
狩猟民か農耕民かという「文化」の違いに関連して,その一部が言語のグループの違いに重なる可能性があることなどにも言及があり,元言語学徒としては今後も目が離せない。
◆オータニッキ
◇4/24月 対KC
エンゼルスのウォード,トラウト,大谷が3者連続のホームラン。この件で,午後のニュース番組で解説者として槙原(元巨人)が登場した。槙原は,1985年阪神のバース,掛布,岡田の3連発のときの投手だったので,まさに「適役」。
◇4/25火 対OAK
翌日,アスレチックスの同じ2人の打者が,2者連続ホームランを2度打つ(1回と3回)という珍しい記録を作った。
◇4/27木 対OAK
大谷6号2ラン。
◇4/28金 対OAK
大谷先発 3回まで完璧だったが,5点とった直後の4回に乱れて5失点。6回投げて被安打3なのに5失点で,防御率は 1.85に急降下。それでもすごいが。
エンゼルスは5,6回に3点をあげてなんとか逃げ切り,大谷は4勝目。打撃は5打数3安打1打点。