経済・政治・国際

Nov 06, 2024

選挙の日,サクソフォンの日

 米国では11月5日は「選挙の日 (election day)」で,今年は大統領選挙が行われた。
 election day は「偶数年(西暦)の11月の第1月曜の翌日の火曜日」であり,連邦下院議員の半数と上院議員の3分の1の選挙が行われるが,西暦年が4で割り切れる年には大統領選挙も行われる。
 大統領選挙といっても,正確には大統領と副大統領の選挙人を選ぶ選挙であり,事実上,民主党・共和党のどちらかの候補のうち得票の多い方が,その州の選挙人すべてを独占する。結果から見れば一種の小選挙区制ということになるが,選挙人の数は州の人口に比例しているので,人口の多い州(最大はカリフォルニア州)を取れば非常に有利になる。
 2016年の選挙では,全体の得票はヒラリー・クリントンはトランプより多かったのに,獲得選挙人の数は及ばなかった。さらに激戦の今回,トランプがまた選挙結果を認めないなどと言って騒ぐ事態になりかねないのが心配。

 中学生のころから長年サクソフォンとかかわっているのに今年初めて知ったのだが,11月6日は「世界サクソフォンの日 (World Saxophone Day)」なのだとのこと。サクソフォンを発明したアドルフ・サックス(Adolphe Sax 1814-84)の誕生日にちなんだもの。今日11月6日は生誕210年の日ということになる。

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Jul 27, 2024

新1000円札――古札納所

 7月3日,新しい紙幣が発行された。5日になって,某居酒屋で店員に「新札,見た?」と聞いてみたら,「さっき初めて来たわよ」といって千円札を見せてくれた。
 初めて触れたのは,7月22日になってから。ATMから現金を「1万円分は千円札で」指定で引き出したところ,10枚全部新札が出てきた。
 新札は,色合いについては,表面中央でオレンジ色(赤系統)が目立つようになったのが大きな変化である。しかし,一目見たときにいちばん印象に残る変化は,数字「1000」が,表裏とも大きくなり,書体がサンセリフ(起筆のカギがなく「1」の線がまっすぐになっている)になったことである。レイアウトも,漢数字「千円」は表中央左の座を洋数字に譲った。

 新しい千円札が発行されるのは,1950年以降5回目で,肖像の人物は以下のとおり:
  1950 聖徳太子
  1963 伊藤博文
  1984 夏目漱石
  2004 野口英世
  2024 北里柴三郎
 1950年代の千円は,今の1万円よりはるかに価値が高かったはずだ。「支払いはすべて現金」の時代だったが,当時子供が千円札を目にすることなどほとんどなかった。
 新札発行はだいたい20年ごとなので,「次」は2044年ごろということになる。私がそれを見られる可能性はかなり低いと思うが,それよりも,そのころには現金というものがどういう存在になっているだろうかというのが興味深いところである。

 7月上旬,51年ぶりに伊勢神宮へ行く機会があった。そのときに見かけたのは「古札納所」という看板。時節柄,一瞬,「古いお札は使えなくなりますよ」といって近づいてくる詐欺を思い浮かべてしまった。

 大谷翔平は,7月22日(日本時間)対BOS で30号ソロ。飛距離140m以上で,ダイソーの看板の上,あと少しで場外というところまで飛んだ。
 26日 対SF で31号ソロ。日米通算250号。
 26日現在,ナリーグで,ホームランと打率はトップ,打点は2位。一時打率が低下していたが,回復してきた。

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Nov 04, 2021

国民審査の観点

 衆議院議員選挙と同時に,最高裁判所裁判官の国民審査が行われた。
 この件でいつも思い出すのは,半世紀以上昔の高校生のとき,政治経済の授業で聞いたM先生の話しである。最高裁裁判官の国民審査についてM先生は,「不信任の×印の比率は,いつも名簿の最初の人が少し高く,あとはほとんど差がない。大部分の人がランダムに印をつけているからだ」という趣旨の話しをした(→参照)。
 で今回も,一応きちんと考えて投票すべく,国民審査の広報の「関与した主要な裁判」のところをあらかじめ読んだ。私が注目するのはいつも,国会議員の選挙での大きな「1票の格差」を違憲としているかどうかだが,今回は,戸籍法等が選択的夫婦別姓の選択肢を設けていないことを違憲としているかどうかにも注目した。
 結果は,審査対象11人全員が信任となったが,11人中4人の罷免率(×印)が7%を超え,最高の人は7.85%に達した(最低の人は5.97%)。特に東京では4人とも10%を超えたという(最高の人は11.70%)。この4人というのはいずれも,夫婦別姓を認めない法の規定を合憲とした人である。SNS上ではこの4人について罷免の呼びかけがあったということを,私は事後に知った。
 最高の罷免率7.85%の人は,上記の「観点」の一つ目についても1票の大きな格差を合憲とした人だった。

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Nov 19, 2017

銀行の合併

 文学部系の者には縁がなかったことだが,1970年代の就職先の花形は総合商社と金融関係だった。金融関係の代表は銀行で,第一勧銀,三菱,三井,住友,富士が都市銀行のトップグループを形成していた。第一銀行と日本勧業銀行が合併して第一勧業銀行になったのは1971年と早かったが,それ以外はみな明治以来の財閥系で,「護送船団」という枠の中ではあったが互いがライバルであり,合併・再編など想像もつかなかった。
 それが,80年代に相互銀行が続々と普通銀行に転換されたのに続き,再編の波は90年代には大銀行に及んだ。バブルが崩壊し,北海道拓銀,山一証券,長銀,日債銀の破綻が相次ぐ中で,かつては三井と住友の合併など冗談にもならないくらい非現実的なことだったが,素人目にはあれよあれよといううちに話が進んだ。今の3大メガバンク+りそなという体制になったのは2006年だった。(同じ2006年,阪急電鉄と阪神電鉄の合併(経営統合)にも驚いた。)

 銀行への接し方も大きく変わった。ATMもその他銀行との提携もない時代は,銀行預金の出し入れは口座のある銀行の支店でのみ可能で,それも平日の9時から3時までに通帳と印鑑を持って窓口に行く必要があった。(→参照:休日の朝――昔のATM
 私が就職した1970年代前半にはATM(正確には払い出しのみの機械(CD)だったと思う)がだんだん設置されるようになった。しかし,最初のうちはATMの稼働時間は窓口の営業時間よりわずかに長いだけで,同じ銀行でしかおろせないのはそれまでと同じだった。都市銀行のオンラインシステムが相互接続されたのは1980年代半ばのこと。
 ちなみに,今となっては想像するのが難しいが,私の職場では70年代末まで月給は現金支給で,給料日の朝には経理の担当者が会社の車で現金(金種ごとの数を計算してある)を会社に運び,会社の会議室で給料袋に詰めていた。一般には,月給やボーナスの銀行振込は70年代前半に広まったと思う。そのひとつのきっかけになったのは,1968年の「3億円強奪事件」(東芝府中のボーナスを運ぶ現金輸送車が襲われた)だった。

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Oct 12, 2017

衆議院解散 1980と2017

 首相の思いつきによる「思いつき解散」によって衆議院議員選挙が公示され,選挙戦が始まった。今回の衆議院解散はかなり突然だったにもかかわらず,28日の解散から5日後には近所に選挙ポスターの掲示板が立派にできていた。――うーん,日本人は真面目だ。
 衆議院議員の任期は4年だが,たいていはそれ前に解散がある。前回の選挙からもう2年半以上たっていたから,関係者は少しずつ準備をしていたのだろうが,全国規模で誤りなく整えるのは容易ではないだろう。しかも今回は選挙区の区割りの変更があったし。

 私が選挙権を得て以来,今回は18回目の総選挙になるらしい。その中で,あまりの突然の解散にもっとも驚いたのは,1980年5月の通称「ハプニング解散」である。
 当時私は一人暮らしでテレビを持っていなくて,解散のニュースを知らないまま寝た。翌朝は土曜日だった。寝ぼけまなこで新聞を広げたところ(今の多くの若者と違って新聞は取っていた),「大平内閣不信任案可決」「衆院解散へ」という大見出しが踊っていて目が覚めた。
 不動の自民党政権の時代で,不信任案が提出され否決されるのは儀式のようなものだった。しかしこのときは,自民党内の反主流派の多くが採決を欠席したために,通るはずのない内閣不信任案が可決されたのである。大平首相は,当然総辞職はしないで衆議院を解散,予定されていた参議院選挙と初めての同日選挙になった。

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 うかつにも先週初めて気づいたのだが,東急東横線の日吉駅の駅メロは「若き血」だった。なるほど。

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Nov 27, 2016

米国大統領選挙の得票数/事件の舞台

 米国の大統領選挙はもはや旧聞と思っていたが,最終得票数はどうなったのだろうか。ネットをいろいろ探してみたが,「公報」のようなものは見当たらない。
 見た中でいちばん新しいデータは,the Cook Political Report による数字を引用した英国 Independent社の11月22日の記事で,得票はヒラリー・クリントンが6360万票(48%),ドナルド・トランプが6190万票(46.7%)となっていて,クリントンが170万票多い。全体から見れば僅差とはいえるが,選挙結果と逆でしかも170万票差というのは小さな数ではない。獲得選挙人数は232対306で,決して僅差ではないのだが。
 こういうことが起きるのは,州ごとに多数となった候補者が選挙人を総取りする制度のためだ(メイン州を除く)。総取り制度により,各州が巨大な小選挙区の状態になっているということになる。小選挙区制では,死票が多くなり,得票数との逆転現象が起きることがあるということについては,このブログでも書いたことがある(→参照――あれ,もう10年以上前か)。

 こちらはほんとうに旧聞だが,9月に慶応大の広告学研究会の集団暴行事件というのがあった。報道されていたように,この研究会(というサークル)は長い歴史のある団体で,葉山でキャンプストア(海の家)を長年運営してきた。
 私は,40年以上前の学生時代に,この葉山のキャンプストアに1日だけ関わったことがある。手引きした友人は慶応ではなかったし,どういう経緯だったかは思い出せないが,そこでのバンド演奏に参加したのだった。休憩時には,この事件の舞台となった合宿所(今と同じではないかもしれないが)で,昼飯をご馳走になったように思う。

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Dec 16, 2012

小春日和選挙

 今日は(東京では)晴れて比較的暖かくなり,選挙日和である。私のところでは投票所が変わって近くなり,散歩としてはあっけないくらいの距離になった。
 前回2009年8月は民主党が勝って政権交代を果たしたが,その前2005年9月は自民党がもっと大差で勝った。このようにばたばたと勝者が変わるのは小選挙区制という制度によるところが大きい。そして,その都度書いてきた(→参照;→参照)ように,比例区によって「調整」されているものの,両党の得票率には議席数ほどの差があるわけではない。これ自体は今回も変わらないと思うが,今回は,この両党以外にかなりの数の候補者を立てた党が複数あるので,事情は複雑化した。

 今回は1票の重みの格差に関して「違憲状態」のままの選挙である。格差は「2倍以内」というような物差しも示されているが,理屈としては2倍などというのはとんでもないことで,せいぜい「1.1倍未満」とでもすべきものではなかろうか。

 ところで,比例区の各党の名簿登載の順序は,ほとんどの党が選挙公報には書いていない。「全員1位」という裏技はあるものの当選はこの順によるわけだから,これも政党というものを考える基本資料として公報に掲載してほしい。

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Nov 06, 2011

短信:今秋の世界情勢

 某メーカーの人から聞いた話――タイの洪水で,その会社では某ハイテク機器の部品の製造ができなくなったが,その中でも供給が止まって痛手なのは,皮肉なことに防水に関わる部品だという。「工場は防水じゃなかったんですよ」とその人は苦笑していた。

 どういう巡り合わせか,古代文明が栄えたギリシャとイタリアが財政危機に瀕している。ギリシャは国民の4分の1が公務員だとかいうすごい話も聞こえてきたが,デモをしている人も含めて,人々の表情はテレビで見る限りでは穏やかだ。この点はタイの人も同様。
 そういえば,イタリアの財政危機は70年代ぐらいにもあったと思う。その中でも明るく暮らすイタリア人気質を,昔,塩野七生の本で読んだ。

 琥珀ヱビス 10月12日から限定発売中。YEBISU のロゴが缶の下の方に引っ込んで,真ん中には kohaku yebisu という筆記体が踊っている。
 毎年のことだが,いつまで販売するのかは不明。

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Feb 28, 2011

ナセルとハイレ・セラシエ

 中学で海のキャンプに行き,泳ぎの特訓を受けた。水の中で目を開いて声を出す練習をしたのだが,そのとき「なせばなる,なさねばならぬ何事も,ならぬは人のなさぬなりけり」と水中で唱えるように言われた。何度かやっているうちにパロディする余裕が出てきて,「何事も」の後は「ナセルはアラブの大統領」と唱えて短く終わらせたりした。約50年前には,エジプト(途中からアラブ連合)のナセル大統領の名は子供にも知られていた。
 もう一人,小学生も知っていたアフリカの元首は,エチオピアのハイレ・セラシエ皇帝である。この皇帝の名が蘇ったのは,後にマージャンをするようになったときで,ツモるときにカンチャンが入ることを願って「入れ・セラシエ」と唱えるのが一時仲間うちで流行したのである。

 エジプトの大統領は,ナセルの次がサダト,その次が先日辞任したムバラクである。55年間に,大統領はわずか3人しかいなかった。

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Jul 14, 2010

不適切な用語――「惨敗」「ねじれ」

 12日の新聞では,民主党の「惨敗」「大敗」という大見出しが踊った。確かに,改選議席では,民主党が54から44で-10,自民党が38から51で+13となった。しかし,これをもって「惨敗」というのは,言葉の使い方として,どうみてもおかしい。
 別に民主党の肩を持つわけではなく,数字として出ていることを言うだけだが,非改選を含めた参議院全体では,民主党は106議席で依然として第1党であり,自民党の84議席より22議席多い。(これまでは45議席差だったから,差は半分以下になったが。)また,単独では過半数に届かないという状態もこれまでと同じである。(これまでは国民新党と合わせて過半数になっていたが,それでは足りなくなったというのが新しい点である。)すなわち,民主党が第1党であることは変わらず,それが過半数割れというのも変わらなかった。衆議院では圧倒的な第1党だから,「ねじれ状態」という言葉もあてはまらない。
 なおかつ,得票率を見ると,比例区はもちろん,実は選挙区でも民主党の方が多くて,比例区では39.5%対28.1%,選挙区では40.5%対31.4%だった。獲得議席数は,比例区ではその名の通り得票に比例するから16対12,選挙区は逆転して28対39である。参院の選挙区はかなりの小選挙区を含むので,こうした現象が起きる。(→参照
 ただし,マスコミが大げさなのは昔からである。自民党が「常勝」だったころでも,少し減ると「大敗」と書き立てて,大敗に伴う責任論が取り沙汰されていた。

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