篠山紀信と八代亜紀――製本工場,上昇・下降
写真家・篠山紀信氏が4日死去,享年83歳。ずいぶん昔から知っている名前だが,私と10歳も違わないのだった。最初に知ったのはたぶん『週間朝日』の表紙の女子大生シリーズの宮崎美子の号でだった。
印象に残るのは,なんといっても宮沢りえの写真集『Santa Fe』(1991年)。そのころ仕事でたまたま某県のある製本工場に行ったところ,そこでなんと『Santa Fe』の製本をしていた。そこは本来製本を担当していた会社ではないのだが,大ヒットで生産が追いつかなくなって,一部を手伝っていたのだった。
訃報を伝えるテレビのニュースには,篠山氏を語るキーワードとして「ヘアヌード」という言葉が登場していた。NHKでもまったく自然に語られていたのは画期的。
続いて伝えられたのは,ほぼ同世代の歌手・八代亜紀氏が12月30日に死去したというニュースだった。
演歌は得意科目ではないが,「雨の慕情」は1980年当時いやでも耳に飛び込んできた。作詞は阿久悠,作曲は浜圭介。童謡「あめふり」の「雨雨降れ降れ」の箇所のメロディが弾みながら上行するのに対し,この曲の「雨雨降れ降れ」は下降していくのはおもしろい対照だ。
今年のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートは,1日夜に生中継されるはずだったが能登半島地震で吹っ飛び,6日午後に録画で放送された。しかしこの日は見ることができず,9日になって「NHKプラス」でパソコン経由で見た。1週間とはいえ,いつでも見られるというのは,ありがたい時代になったものだと思う。
12月は慌ただしく過ぎたが,1月もいろいろなことがあって飛ぶように過ぎていく。