日記・コラム・つぶやき

May 28, 2026

新国立劇場の『愛の妙薬』『ウェルテル』

 5月後半の新国立劇場のオペラは,『愛の妙薬』と『ウェルテル』が各4回,一部は日程が入り組んで日替わりのような形で上演されている。『愛の妙薬』は2010年のプレミエ以来5回目,『ウェルテル』は2016年プレミエで今回が3回目の上演である。
 喜劇と悲劇という対照をなすこの2曲を,中2日で見た。舞台装置も対照的で,『愛の妙薬』が抽象的でおもちゃ箱のように明るいのに対し,『ウェルテル』は具象的で渋い色彩。歌手はそれぞれ立派だが,特にシャルロッテ(『ウェルテル』)の脇園彩さん。
 マスネのオーケストラではサクソフォンがよく使われているが,『ウェルテル』でもアルト・サックスがアリアの合いの手などで活躍していた。
 以下は,2016年のプレミエのときにも書いたことだが(→参照),このウェルテルという男はどうしようもないやつで,人妻になったシャルロッテ以外は目に入らない。妹のソフィーにしておけばいいのにと誰しもが思う,と思う。これじゃ,仮に何らかの事情の変化が起きてシャルロッテと結ばれたにしても,まともな生活はできそうにない。
 ヒロインのシャルロッテは8人きょうだいで,お母さんが亡くなっているのだった。しかもきょうだいでクリスマス・キャロルを歌ったりしていることもあり,第2幕で山の景色が見えたときに,ちょっと似た家庭環境の『サウンド・オブ・ミュージック』を思い出した。

 上記『愛の妙薬』のときのこと,席につこうとして,いつものようにジャケットの左内側のポケットからチケットを取り出したところ,席番は2階6列33番だった。シーズンチケットはいつも1階の左右のブロックだが,今回はその日が都合が悪かったので「エクスチェンジ・サービス」を使って日を変えた。2階席なのはそのためだと勝手に納得して2階席へ行ったが,行ってみると2階正面の席は5列までしかない。
 あせって係のおねえさんにチケットを見せたら,なんと「これ,他の劇場のチケットですよ」という宣告。よく見たら,2週間ほど前に行ったミュージカルのチケットだった。

 ジャズ・テナー・サックスのソニー・ロリンズ氏が25日に死去,95歳。私が学生のころ,すなわち60年近く前にすでに,「サックスの巨人」だったから,新聞の訃報を見たとき,正直言って,あれ,まだ生きていたのかと思ってしまった。少し年上の同じくテナー・サックスのジョン・コルトレーンは,ずっと早く亡くなったので,よけいに混乱してしまったのかもしれない。

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May 21, 2026

大野雄二氏と「小さな旅」/サントリーホールP席で合唱

 5月4日,作曲家の大野雄二氏が死去した。享年84歳。今まで知らなかったが,「元ジャズ・ミュージシャン」と紹介している媒体もあった。
 大野氏の作品で,一般にもっともよく知られているのは「ルパン三世のテーマ」だろう。しかし,オーボエ関係者にとって重要なのは,NHKテレビの「小さな旅」のテーマ音楽である。「郷愁の楽器」イングリッシュ・ホルン(コーラングレ;オーボエ奏者が兼任で演奏する)のソロが,耳に残る自然短音階の旋律を奏でる。プロのオーボエ奏者の知人は,イングリッシュ・ホルンの楽器紹介をするとき,よくこれを演奏すると言っていた。

 4月某日,所属の合唱団の一員として,独唱2人とオーケストラの演奏会に出演した。会場はサントリーホール。このホールのステージに立つのは初めてだった。いや,Pブロックの客席(ステージ後ろ,オルガンの下)で歌ったので,厳密にはステージに立ってはいないが。
 リハーサルでP席に立ってみると,上手端の位置だったので,指揮者をかなり斜めに見ることになり,しかもかなり遠い。初めての角度で指揮者を見ながら,客席(でもある所)で歌うというのはなんとも不思議な感覚だった。リハーサルが始まっても,周囲の音が聞こえにくかった。
 コンサート専用のホールだから,合唱つきの曲を演奏する場合は,当然こういう形になる。楽屋も,演奏者250人というような状況は想定されていないということなのか,楽屋以外のいろいろな場所も使ってやりくりしていて,ステージに行くときに回り道をしてしまったこともあった。

 前回記事との間隔が1週間以上空いてしまっている間に,大相撲五月場所は,11日目を終え,大関・霧島,平幕・琴栄峰,翔猿が9章2敗で先頭で並んでいる。

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May 13, 2026

アラグチ氏と日本

 イランの外務大臣は,アラグチ氏というなんだか日本人風の名で,前から気になっていた。先日名字についてのサイトを見てみたところ,あらぐち(新口・荒口)さんという姓は,かなり珍しいが実在する。頻度順位では新口が15000位台,荒口が33000位台といったところだという。
 しかし,ネット上の情報によると,アラグチ氏は,実際に日本と非常に縁のある人で,2008年から11年まで駐日イラン大使を務めていたのだった。在任中には東関東大震災を経験している。
 日本時代の回想録も翻訳・出版されている:
  セイエド・アッバス・アラグチ 著 稲見誉弘 訳
   『イランと日本――駐日イラン大使の回顧録 2008-2011』
                  論創社 2024年刊

 だいぶ旧聞になったが,岩手県大槌町では,地震,山火事,熊が立て続けにやってきた。このうち,熊は実害はなかったようだが,山火事では多くの人が避難を余儀なくされた。しかも,延焼の恐れがなくなってから,雨も降ったのになかなか鎮火しなかった。雨ぐらいでは埋み火は生き残るということのようだ。

 大谷は,13日,12試合ぶりの7号ホームラン。しかしチームは4連敗。
 これに引き替え,CHWの村上宗隆はこれまでに15本。

 大相撲五月場所が始まった。しかし,大の里,安青錦が最初から休場だったのに加え,豊昇龍も初日の取組でケガして翌日から休場となったので,両横綱と大関1人が不在となった。さらに,残った大関の琴櫻,関脇の熱海富士と琴勝峰はそろって初日から連敗(3日目は共に勝ち)という混乱の場所となっている。

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May 04, 2026

1年8か月ぶりの本番/木村俊光氏/ハナの差

 一昨年秋に「卒業」したはずのオーケストラ(→参照)から依頼があって,先日,演奏会に出演した。この間,合唱の本番は何回かあったが,楽器(オーボエ)での本番は1年8か月ぶりだった。
 今年2月に,欠席者の代わりとして2回ほど練習に参加したのだが,その後結局,本番も吹いてくれという話になった。実はオーボエは,今回の曲目の場合,人数としては足りているのだが,目立つ曲,体力を要する曲を吹くメンバーはその曲だけに集中したいということのようで,私の出番は短い曲1曲だけだが,出演した次第。
 プロのオーケストラの管楽器の場合は,1回の演奏会では一人の首席奏者がすべての曲で1番(第1オーボエなど)を吹くのが原則なのに対し,アマチュア・オケでは,もちろん各オケの事情によるが,交代で1番を吹くことが多い。

 4月26日の新聞に,バリトンの木村俊光氏の訃報が出た。17日死去,享年81歳。私がオペラをよく見るようになった1970年代半ばから1980年代の二期会オペラを牽引する存在だった。ザックス(マイスタージンガー),ドン・ピッツァロ(フィデリオ),テルラムント(ローエングリン),ヴォータン(ワルキューレ)などの役は,いずれも初めて生で見たのは木村氏によるものである。

 3日の競馬,春の天皇賞の生中継を,たまたまテレビで見た。1,2着はほとんど差がなく,長い写真判定となった。結局,1着は⑦クロワデュノール,2着は⑮ヴェルテンベルク。発表ではハナの差となっていたが,写真を見てもどちらが1着かまったくわからない。「三苫の1ミリ」ほどではないにしても,実質1センチぐらいの差ではないだろうか。
 クロワデュノールは1番人気で,単勝の配当は180円,枠連の4-8は9番人気で2530円。

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Apr 29, 2026

虹――4月27日

生まれて3/4世紀,こんなに大きくて色鮮やかな虹を見たのは初めて。Dsc_1819

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Apr 26, 2026

7年ぶりの停電事件/三原則の遵守

 某日朝,トイレに入ろうとしたところ,電気がつかなかった。スイッチを見ると,暗がりで照明のスイッチのありかを示す緑の小ランプがついていない。あれ,停電
 あわてて懐中電灯を手に配電盤を開けてみたところ,メインのブレーカーのスイッチが切れていて,「入」への切り替えができない。ノートパソコンは充電してあったので動くが,ルーターの電源も入らないのでネットにはつながらない。トイレの水は流れない。キッチンはIHなので電気が来ないとどうしようもない。
 スマホでやっと電力会社の停電窓口を調べて電話したところ,1時間弱で係の人が来訪。配電盤を調べて漏電はしていないことを確認し,なにか道具を使ってメインのスイッチを入れると点灯し,回復した。原因は,ブレーカー機器の故障,一瞬のショートによる過電流などが考えられるが,特定できないという。あとで調べたところ,停電は2019年10月以来だった。
 しかしまあ,明るいときでよかった。それから,暖房も冷房もいらない時期でよかった。

 武器輸出三原則は,先日の「見直し」によって,ほぼ崩壊した。もうひとつの三原則「非核三原則」は,国会決議を経たものであり,一応命脈を保っているが,核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」のうち「持ち込ませず」は骨抜きになっている。
 わが家では,子どもたちが小さいころ,非核三原則にならって武器玩具三原則,すなわち武器に類するおもちゃを持たず,作らず,持ち込ませず,を家訓としていた。実際には,子どもたちは武器のおもちゃを欲しがるようなことはほとんどなかったが。
 しかし,何も材料はなくても武器は手に入る。息子が4歳ぐらいのとき,実家のそばに車を停め,息子に「荷物運びをするから,ちょっと(車の)番をしてなさい」と言ったことがあった。2分ぐらいで車に戻ったところ,息子は片手でピストルの形を作って,人が通ると「バーン」と撃っていたのだった。

 大谷は,ホームランは5本で止まったまま。投打二刀流で出場した試合でノーヒットに終わり,連続出塁試合の記録も53で途絶えた。ピッチングの方は2勝0敗で,防御率 0.38 と立派。
 一方で,村上宗隆(シカゴWS)はホームラン11本とリーグトップ。岡本(トロントBJ)は 5本,鈴木誠也(シカゴC)は 4本で,なかなかの結果を出している。

 テレビのニュース番組で,船のイチジョウホウについてイチジョウさんが解説していた。

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Apr 17, 2026

南丹市より/階乗の広告

 この3週間ほど,テレビでもっともよく耳にした地名は,京都の南丹(なんたん)市である。地図を見たところ,市域は広く,南西は兵庫県に,北東は福井県に接している。2006年に園部町などが合併してできたとのこと。
 ここで起きた小学生の死体遺棄事件だが,行方不明になって間もないころから,ネットでは被害者の家族についての情報が飛び交っていたらしい。テレビ局や新聞社でももちろんいろいろ調べていたと思われるが,容疑者逮捕までは表に出ることはなかった。
 ニュースでは,行方不明になった日の朝,父親は小学校まで「車で送って行った」と言っていたが,遺体発見のあとは小学校まで「車で送って行ったとされている」といった言い方に変わった。
 言葉遣いについて昔と違うのは,被害者の敬称が「さん」であるということ。かつては中学生以下ぐらいだと男は「くん」,女は「さん」だった。小学校低学年以下については「ちゃん」を使うこともあった(例:「雅樹ちゃん誘拐事件」 →参照)。
 今は,小学校の教育現場でも標準は男女とも「さん」が使われている。

 地下鉄内に,

5!+4!+3! 周年を迎えました

というポスターがあった。1876年創業の古河機械金属(株)の広告である。この式を見て,合計を計算するのにはだいぶ時間がかかってしまった。5!でなく3!から順に考えれば楽だったのだが。(最近どこかで階乗の記号を知った小学生の孫にこれを見せたら,5秒もかからずに解答した。)

 所属していたオーケストラは一昨年秋に卒業したが,今春いろいろなところから出演の依頼があり,先週から今週にかけては,5日連続で合奏・合唱の練習が計6件あった。手帳に記された予定の密度が,定年後もっとも高い日々だった。

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Apr 05, 2026

大リーグ開幕/オールタイム/アンドレア――3月から4月へ

 3月27日,日本のプロ野球,大リーグとも,シーズンの開幕を迎えた。
 以後,ドジャーズは4月5日までに8試合を終え,6勝2敗。大谷は本塁打を1本打ったが,その他はシングルヒット6本で,打率は .241。本塁打については量産体制になるのがいつも遅いのであまり心配はしていないが,長打がないのはなんとも淋しい。
 投手としては4月1日に対CLE戦で先発,6回を投げて被安打1,奪三振6,無失点という立派な内容で勝利投手となった。

 東京のサクラは3月19日開花,28日満開になった。それから1週間以上過ぎたが,雨にも負けずよく花が保たれていて,まだ十分に楽しめる。

 少し前に,NHKテレビの「ミュージック・スペシャル」で,中島みゆきが「オールタイム・リクエスト」と題して,ラジオのニッポン放送の「オールナイト・ニッポン」の巧みなパロディをやっていた。なにしろ,テーマ音楽まで借りるという凝りよう。

 前回書いたアンドレア・バッティストーニだが,当人のウェブサイトによると,以下のようにフル回転の予定が書かれている。
  4月~5月 バイエルン州立劇場 『マクベス』3回,『トロヴァトーレ』5回
  5月後半 東フィル定期 マーラー4番ほか
  6月 トリノ歌劇場 『トスカ』8回
  7月 バイエルン州立劇場 『マクベス』2回
  8月~9月 アレーナ・ディ・ヴェローナ 『トゥーランドット』6回

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Mar 29, 2026

新宿《復活》の記

 3月22日(日)午後,新宿区が組織した「新宿文化センター合唱団」の一員として,マーラー:交響曲第2番《復活》の演奏に,同居人ともども参加した。指揮はアンドレア・バッティストーニ,オケは東京フィルハーモニー交響楽団で,新宿区と東フィルで毎年やっている合唱付の曲のシリーズだが,文化センターの改修で中断していて,今回は3年ぶりの開催だった。同居人は10年ぐらい前からこのシリーズに参加しているが,合唱歴1年余りの私は初参加だった。
 この曲については,70年代前半に発売されたズビン・メータ指揮ウィーン・フィルのLPレコード(!)が印象深い。年末に買ってきて,三が日に毎晩聴いた。生演奏を聴いたのは50数年でたぶん3回,いずれも祝典的な機会での演奏ということになる。そのうち1回は1987年1月のジュゼッペ・シノーポリ指揮のフィルハーモニア管弦楽団の演奏で,サントリー・ホールの開場記念公演のひとつだった。
 本番は,最初から「板付き」で,合唱は固い木のベンチに座ること1時間,腰が痛くなったが,プロオケの演奏を真後ろから見ることができたのは貴重な経験だった。第4楽章のメゾソプラノ・ソロ(スカラ座のチェネレントラ,脇園彩さん!)を聞き,第5楽章がかなり進んで,ようやく出番となる。最初は無伴奏のピアニッシッシモで緊張させられるところだが,合唱練習で,ある程度響きを伴う声を出すよう指示されたこともあって,なんとか平常心でスタートできた。合唱の第1部分はずっとピアニッシモ以下なので座って歌い,それが終わってから立ち上がった。歌う時間は合計10分足らず。
 この日チケットは完売で,客席の熱気はステージにも伝わってきた。今回この演奏会だけのために来日したマエストロ・バッティストーニの明快な指揮も,曲の盛り上がりと共にますます熱を帯びた。長年の間に(アマチュア・オーケストラなどで)数多くの本番を経験してきたが,今回の拍手はこれまででもっとも盛大なものだった。

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Mar 21, 2026

舞台上の楽団――『ドン・ジョヴァンニ』

 3月上旬の某日,新国立劇場の『ドン・ジョヴァンニ』を見た。ヴェネツィアを思わせる水の街の美しい舞台で展開されるこのグリシャ・アサガロフ演出を見るのは6回目。歌手(8人のうち海外組が5人)はいずれも「好唱」,好演。(隣の席が鼻をすする人だったのが唯一の難。)
 『ドン・ジョヴァンニ』でいつも楽しみにしているのは,舞台上の楽団である。1回目のパーティーの場面では,メインの楽団のあと,別の小さいグループが2つ登場し,異なる拍子で同時に進行する。後からのグループでは,ヴァイオリンのチューニングまで再現されているという凝りよう。2回目は管楽8重奏で,『フィガロ』の「もう飛ぶまいぞ,この蝶々」も演奏され,ドン・ジョヴァンニは「あ,この曲は知っているぞ」と言ったりする。モーツァルトが曲を決めた後,ダ・ポンテが台詞を追加したのかな,などと想像がふくらむ。
 今回,この舞台上の楽団は特に素晴らしく,それぞれもう2曲ぐらいあるといいのにと思った。

 WBCの準決勝ベネズエラ戦は,結局ラジオ(Radico)でネット観戦ならぬネット「聴戦」した。ラジオで野球の試合を聴くのは何十年ぶりだろう。まったくの隔靴掻痒。
 目はスマホのテキスト速報(野球速報アプリ)で見ていたのだが,ネットラジオはリアルタイムよりかなり遅いことに気づいた。テキスト速報もナマより遅いはずだが,ネットラジオはそれよりさらに58秒ぐらい(おおざっぱな計測で)遅かった。Netflixなどネットテレビの時差はどうなのだろう。

 前回書いたように3月14日は私にとってはブログ記念日だが,世間(の一部)では「円周率の日」だということを今回初めて知った。なるほど。

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