ことば

Jun 06, 2025

長嶋茂雄とフランス語辞典/時国家住宅

 今週一番のニュースは,長嶋茂雄氏の死去だった。享年89歳。6月3日朝のニュースショーの途中で,「ただいま入りましたニュースです」として飛び込んできた。新聞では,3日の夕刊と4日の朝刊の両方で長嶋の記事が1面トップだった。
 長嶋が巨人に入ったのは1958年で私は小学校3年,選手を引退したのが1974年で就職した翌年なので,半分は子供のころではあるが,選手としての長嶋を一応全部知っている世代である。
 長嶋の前の巨人のスターは「打撃の神様」川上哲治だった。川上の時代,私は幼かったので何も覚えていないが,その名は幼児にも知られていて,私は下駄にその背番号16を書いてもらって喜んでいたという。その川上は1958年秋に引退したので,長嶋とは1シーズン重なっていた。長嶋が活躍して,川上も安心して引退したことだろう。
 長嶋の名言,迷せりふはいろいろ伝わっているが,中でもっともおもしろいと思ったのは,長嶋が大学に入ってフランス語を学び始めたときのこと(とされる話)である(当時は大学で第2外国語が必修だったはず)。級友に仏和辞典というものを教えられた長嶋は「単語がなんでも出ていて意味がわかるなんてすごいな。英語でもこういう本があればよかったのに」と言ったという。この話は私は会社に入ってから職場の先輩に聞いた。ネット上にもあちこちで書かれているが,確かな典拠らしいものは見当たらない。

 昨年正月の能登半島地震で,重要文化財の時国家住宅(輪島市)も崩壊した。時国家住宅は,学生時代に能登半島へある調査に行ったとき,見学したことがある(→参照)。このほど,その修復の計画がようやく固まったという。費用は40億円,11年がかりの大事業。

【オータニッキ2025】
 31日のNYY戦で21号,22号を打った。5月は15本で,月間MVP受賞。
 6月3日のNYM戦で,23号。

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May 09, 2025

横須賀の奇跡/プレボスト vs プレヴォー

 物騒な事件がいろいろ起きているが,私の郷里・横須賀では,5日に飲酒運転の車が時速100kmで暴走して,京急の路線バスなど8台にぶつかるという事故があった。8人がけがをしたというが,これだけの規模の事故で死者ゼロというのは奇跡的といってもいいだろう。ニュース映像によると,事故を起こした車は愛知県ナンバーだった。
 現場は,京急の横須賀中央駅近くの私もよく知っている繁華街で,路側帯付きの片側1車線の道だが,JR横須賀線の横須賀駅を出たバスの大部分が通る幹線道路である。事故処理のため通行止めになってかなり混乱したに違いない。
 この道に限らず,子供のころはバスが通る道路は大通りという感覚だったが,自分が運転するようになってから見ると,この道はこんなに狭かったのかと思うことがよくあった。

 9日未明(日本時間),コンクラーベの4回目の投票で,新しいローマ教皇が選出されたという発表があった。選ばれたのは米国出身の Robert Francis Prevost 枢機卿で,教皇名は Leo XIV(レオ14世)。フランシスコ前教皇に続いて(南北)アメリカからの選出となった。
 米国出身なので「プレボスト」と表記されているが,原綴を見て,『マノン・レスコー』の作者アベ・プレヴォーと同じ姓であることに気づいた(ただしフランス語ではeにアクサンが付く)。なお,プレヴォーもその名(あだ名アベ)のとおり一応聖職者だった。
 コンクラーベでは133人の枢機卿が被選挙権と選挙権を持ち,全体の3分の2の票を得た人が当選となる。枢機卿はふだん世界各地で仕事をしているので,互いに顔見知りでない人も多いだろうから,集まってさあ選挙と言われても,困ってしまうに違いない。そんな中で3分の2を獲得するにはどういう力学が作用するのだろうか。

【オータニッキ2025】
 5月4日から9日の6日間に,8号から11号の4本を打った。6日の対MIA戦での9号2ランは,打球速度が今シーズンMLB最高だったという。ただし,弾道が低く,ぎりぎりでフェンスを越えた。

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May 02, 2025

食パンを冷凍/近ごろ見かけないもの

 食パンは冷凍するのがよい,という勧めはネット上で前から何度も目にしていたが,先日テレビでも同様の勧めがあって,ちょっとやってみる気になった。
 わが家のトースターにはちゃんと「冷凍うすぎりトースト」「冷凍あつぎりトースト」というモードがあり,これを初めて使って,冷凍のまま焼いた。仕上がりは,確かにパンの香りが立って,いい具合。
 問題は,ひとつは冷凍庫のスペースを要すること,もうひとつは,焼くのに5,6分かかること。ソーセージや卵をトースターで焼くこともあるので,トースターを使う順番待ちが長くなる。パンとおかずをトースターで同時に作るアイディアもいろいろなサイトで紹介されているので,探してみたい。

 昔の新聞には,「この記事は一部地域で重複いたします」という断り書きがけっこうよくあった。例えば,飛び込んできたニュースを夕刊の3版に突っ込んだ場合,夕刊の2版までを配達する地域のためには,翌日の朝刊にそのニュースを掲載する必要があるが,夕刊の3版以降が届く地域では朝刊で同じ記事が再び載るのでこの注記が必要になる。
 版による記事の差し替えは今も行われていると思うのだが,この注記はいつの間にか見なくなった。その事情はわからないが,新聞という媒体の地位が相対的に低下して,報道の順序や重複などはだれも気にしなくなったのかなと想像した。

【オータニッキ2025】
 4月30日,対MIA戦で,第7号ソロ。13日ぶり。

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Apr 24, 2025

本人限定の書留/神の兵士

 4月某日,郵便局から「本人限定受取郵便到着のお知らせ」という封書が届いた。書留に追加するオプションに「本人限定」というのがあり,あて名本人にのみ渡すものだという。
 大きい郵便局で保管してあり,受取方法は,①配達してもらって自宅で受け取る,②保管してある郵便局の窓口で受け取る,③他の郵便局の窓口で受け取る,の中から選択する。①の場合は,不在の場合の再配達と同様に,ネット・電話等で日時・時間帯を指定する(土日も指定可)。いずれの場合も(自宅配達でも),本人確認資料の提示が必要。それで,夜中近くなってから翌日午前中の配達を申し込んだら,ちゃんと配達された。
 カード会社など用のオプションかと思ったら,だれでも料金270円で利用できるらしい(ほかに基本の郵便料と書留料金が必要)。

 21日,フランシスコ教皇が88歳で死去の報。初の南米出身の教皇であると同時に,初のイエズス会出身の教皇だった。教皇選出(2013年)のニュースを見たとき,イエズス会は「神の兵士」として教皇のために16世紀以来戦ってきた修道会なので,イエズス会士初の教皇というのは意外だった。

 4月19日,東池袋の高齢運転者暴走事故から6年
 4月25日,福知山線事故から20年(→参照

【オータニッキ2025】
 Paternity List 入りして,19日のBAL戦を欠場。代役の1番打者が先頭打者ホームランを打った――立派な代役。
 現地時間19日に女の子が誕生。
 21日のTEX戦から復帰したが,なかなか打てず,24日にようやくシングル1本。

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 毎日更新されていた知人のブログが,2週間以上更新されていない。ちょっと心配。

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Apr 18, 2025

百日せきの清濁/1時間2500円

 流行し始めているということでニュースに出てくるようになったのが,「百日せき」。今はどうやら連濁しないのが標準になっているらしく,テレビ・新聞ではもっぱら「百日せき」としている。
 しかし,かつては「百日ぜき」だったんだよなと思いつつ,電子辞書で国語辞典・百科事典類を見てみたら,読みは例外なく「ひゃくにちぜき」となっていた。医学関係の学会が「せき」に決めたのだろうと想像したが,そうだとしても最近のことらしく,2008年初版の家庭医学の事典では「ぜき」だった。

 少し前に,車で都心方面へ家族を送っていった後,ちょうど昼時だったので,前に行ったことのある蕎麦屋に寄ってみようかと思い,コイン式駐車場に車を入れた。おいしく蕎麦を食べて30分で戻ったが,駐車料金は1500円にもなった。あらためて掲示を見ると,料金は 12分あたり500円で,36分で1500円,60分で2500円になるのだった。
 前からこのあたりは高いと思ってはいたが,こんなに高かったか。うーむ,これなら一度帰って地下鉄で出直す方がいい。

【オータニッキ2025】
 17日のCOL戦,先頭打者で6号ホームラン。今シーズン初めての豪快な1本だった。しかもこの回ドジャースは猛攻で打者一巡し,大谷は2回目の打席でタイムリーヒットを打った。ホームラン以外の打点はなんと今シーズン初めて。
 去年は2塁打を38本も打った大谷だが,今年はまだ1本。

 

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Apr 11, 2025

小学校の入学式

 4月某日,先日保育園を卒園したばかりの孫③の入学式に出かけた。(同日同時刻に別の小学校で孫②の入学式もあり,こちらは同居人が出席した。)
 1年生は22人だった。入学式の出席者は,われわれ保護者等が50人ぐらいで最大勢力で,教職員,来賓が新入生席の両側に陣取った。在校生は6年生と2年生のみ出席。孫③には3年生になった姉・孫①がいるが,この日は朝の始業式の後すぐ下校となり,入学式では両親と共に保護者席に座った。
 新入生が,一人ずつ名前を呼ばれた。男女混合の五十音順で,全員「…さん」付けだった。昔なら男の子は「…君」と呼ばれたことだろう。
 ただ一人燕尾服姿の校長のあいさつは,「あいさつ」「がんばる」などと書かれた手製のボードを示しながらだった。入学前にひらがなが読めることは前提になっているのだった。
 式の最後は2年生の合奏で,鍵盤ハーモニカ(ピアノ伴奏)で「ミッキーマウス・マーチ」が演奏された。
 式の後,保護者向けに,学校との連絡用スマホ・アプリの案内があった。私は行かなかったが,その後教室では電子黒板でいろいろ説明があったとのこと。
 ちなみに,この黒板という語については,昔,緑色のものでも黒板ということがおもしろがられたりしたことがあった。電子黒板の登場で,もはや色は問題にならないところまで語義が拡張された。

 大谷は8日のWSH戦で4号2ラン。
 その後10日までで出場14試合,5打点,54打数17安打で打率 .315,3盗塁。

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Apr 04, 2025

焼け山/清掃中/もっと当たりを――年度末・年度初め

 3月は各地で山火事があった。ヘリコプターから放水している映像が流れたが,ヘリコプターに積める水の量なんてたかがしれているから,焼け石ならぬ焼け山に水というほかはない。いちばん消火の役に立つのは,雨乞いか。
 昔,ガソリンスタンドで消防車に出会ったことがある。消防車としては小さい方だと思うが,間近で見るとでかい。そして,その大きさのかなりの部分に水を積んでいるはずである。

 ふだんは年度末など関係のない生活をしているが,今年は3月になってからある団体のコロナ渦のころの会計の後始末をする用事が入って,もはやほとんど忘れてしまった書類をひっくり返している。3年分は前に作業をしてあったので比較的短時間になんとかなったが,あとの2年分はやり方を思い出しながらの試行錯誤が続いた。

 4月2日だったか,牛丼チェーン「すき家」のいちばん近い店の前を通りかかったら,「清掃中」という貼り紙をして休業していた。山梨のゴキブリ,鳥取のネズミ混入を受けて,全国の大部分の店で4月初めの4日間休業したという。それにしても,味噌汁に飛び込むなんて,ドジなネズミだ。

 大リーグは,3月19日からの東京シリーズのあと,3月28日に米本土で開幕した。
 大谷翔平は,4月3日の ATL戦でサヨナラ・ホームラン。せっかくテレビで見ていたのに,ほんの数秒目を離したすきに打った。これまで,8試合すべてに出場して,ホームラン3本,打点3,30打数10安打で打率 .333,2盗塁。
 調子はいいのだと思うが,これまで3本のホームランはすべてぎりぎり入ったもので,もっと豪快な当たりがほしい,というぜいたくを言いたくなる。

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Mar 19, 2025

足元が悪い問題/訃報:いしだあゆみ

 19日朝,外へ出てみたら,みぞれがかなり降っていて靴が滑りそうになった。この日,同居人を車で送る用事があり,まあ凍ることはなさそうだから大丈夫とは思ったが,用心して車を出すのは勘弁してもらった。
 会合の日が雨だった場合,その席で話をする人は,まず最初に「本日は,足元のお悪い中,ご出席いただき…」と言うことが,今でもあるように思う。これは,私の感覚としては,昭和前半期を思わせる表現である。
 私の子供のころ,すなわち昭和30年代前半ぐらいまでは,バスの通るような道以外は未舗装の道がたくさんあり,雨が降るとぬかるみになったので,足元が滑りやすくなるというのは現実的な問題だった。雨の日には大人も子供もよく長靴をはき,ビニールのレインコートを着ていた(→参照)。
 実家の周辺で道路舗装が進んだのは昭和30年前後だった。コンクリート舗装の工事は,道路を半分ずつ塞いで行われ,工事期間中は毎日のように現場を見に行った覚えがある。

 ほぼ同世代の歌手・いしだあゆみの訃報が18日に伝わってきた。11日死去,76歳。私にとっては「ブルー・ライト・ヨコハマ」(中黒(・)が2つ入るのが正式らしい)「あなたならどうする」の歌手だが,俳優としても多くの名作を残した。
 今回初めて知ったのだが,子供のころはフィギュアスケートの選手だったとのこと。
 なお,京浜急行の横浜駅の発車メロディは「ブルー・ライト・ヨコハマ」である。

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Mar 13, 2025

新国立劇場『カルメン』/異例の法要

 3月上旬某日,新国立劇場の『カルメン』を見た。演出家のアレックス・オリエは,2019年の『トゥーランドット』で最初に接した。最後の0.5秒で衝撃が走る舞台だった(→参照)。
 オリエの今回の『カルメン』は2021年7月がプレミエだったのだが,当時はコロナのために,歌手同士が抱擁しないとか,合唱も離れて立つといった制約があり,オリエ自身も来日できないままの隔靴掻痒演出だった。今回は演出家が来日したとのことで,いわば第2のプレミエである。舞台上の場所は東京で,カルメンは来日中のロック・バンドの歌手,ドン・ホセは警備の警官という設定にはさほど無理がなく,もちろん歌詞は元のままなので多少のぎくしゃくはあるが,全体としては自然なものとして楽しんだ。
 歌手はみな立派だった。タイトル・ロールは,サマンサ・ハンキーというボストン出身の長身の美人で,カルメン役のロール・デビューでかつ日本でのオペラ・デビューだとか。ただし,日本で歌うのが初めてというわけではなく,ボストンの児童合唱団の一員として20年前に来たというからおもしろい。

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 3月10日は,東京大空襲から80年の日。ニュースで「慰霊の法要」が行われたと言っていたが,これは冗語と言うべきか迷う。なお,このとき,一瞬「異例の法要」かと思ってしまった。
 やや「異例の法要」のニュースが伝えられたのは,翌11日だった。この日は東日本大震災から14年の日で,鎌倉の鶴岡八幡宮では,宗派をこえて東日本大震災の犠牲者を悼む「追悼復興祈願祭」が行われ,神道・仏教・キリスト教の宗教者が集まったという。震災の翌年から,3つの宗教の会場を持ち回りで行われているとのこと。
 カトリックの司教の「他の宗教で大切にされている施設等は尊重すべきだ」という趣旨のことばを思い出した。

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Mar 05, 2025

春の雪/帝劇最後の日/ミサ通常文

 4月の陽気から一転,3月4日,5日に都内でも雪が少し降った。車のフロントグラスに雪が積もって,円筒状になって横たわっていた。

 2月末で,帝国劇場と新宿アルタが閉館した。共に取り壊し,建て替えになる。
 今までの帝国劇場の開館はは1966年,日生劇場の3年後で,以来,日本のミュージカルの最大の発信地として君臨してきた。私が帝劇で見たのは,『屋根の上のバイオリン弾き』『キスミー・ケイト』『レ・ミゼラブル』など。
 最後の日々は帝劇のミュージカル名曲集のコンサートで,シメは『レ・ミゼラブル』の「民衆の歌」だった。
 以下はまったくの余談で帝劇が悪いわけではないのだが,たぶん森繁の『屋根の上のバイオリン弾き』を見たときのこと,休憩の終わるころになって,あせったおばさまたちが数人「ちょっと失礼」とか言って,男性トイレにどやどやと入ってきたことがあった。

 某日,必要あって「ミサ通常文」をネットで調べようとして,検索窓に「み」と打ったところで出てきた候補は「みのもんた」だった。

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